2006年4月、2作目のアルバム『ガール・ライク・ミー』を発表。発売週に115,000枚以上を売り上げ、全米チャート(Billboard 200)で初登場5位となる。ソフト・セルの大ヒット曲「汚れなき愛」をサンプリングしたシングル「SOS」は、ビルボードのビルボード・ポップ・100(Billboard Pop 100)、ホット・デジタル・ソングス(Hot Digital Songs)、ホット・デジタル・トラックス(Hot Digital Tracks)、ホット・ダンス・エアプレイ(Hot Dance Airplay)などの各種チャートで3週連続の1位を獲得[17]。また、全米シングルチャート (Billboard Hot 100) では34位から1位への急上昇を記録し、「TOP40圏内における1位への最大ジャンプ・アップ記録」を42年ぶりに更新した[18]。
2007年 - 2008年:グッド・ガール・ゴーン・バッド
2007年3月には、次のアルバムからのリードシングルとなる「アンブレラ」を発表。フィーチャリングアーティストとして同じレーベルメイトのジェイ・Zが参加した。このシングルは、アメリカ合衆国の主要チャートであるビルボードのビルボード・ホット・100チャート(Billboard Hot 100)で7週連続の1位を記録。またイギリスのUKシングルチャート(UK Singles Chart)では10週連続の1位、ヨーロッパ・シングルチャート(Eurochart Hot 100 Singles)でも11週連続1位、ワールドチャート(United World Chart)でも10週連続で1位を獲得するなど、大ヒットとなった[19][20]。UK・シングル・チャートにおける10週連続の1位は、Wet Wet Wet(ウェット・ウェット・ウエット)が1994年に発表した「ラブ・イズ・オール・アラウンド」の持つ15週連続1位に次ぐ記録となった[21][22]。2007年6月にジェイ・Z、ティンバランド、ジャスティン・ティンバーレイク、ニーヨ、レネ・マーリンらのサポートを受けた3作目のアルバム『グッド・ガール・ゴーン・バッド』をリリースし、全米チャート(Billboard 200)で2位、カナダとイギリスのアルバムチャート(Canadian Albums Chart, UK Album Chart)で1位を獲得した。売り上げ枚数はアメリカ合衆国で100万枚、世界では270万枚。RIAAからはプラチナディスクに認定された。アルバム発売の1週間後には、アルバムからの2作目のシングルとなる「シャット・アップ・アンド・ドライブ」を発表。全米シングルチャート(Billboard Hot 100)では最高順位15位、全英シングルチャート(UK Singles Chart)では最高順位5位を記録した[20]。その後7月20日にはアルバムからの3作目のシングル「ドント・ストップ・ザ・ミュージック」を、8月21日にはニーヨをフィーチャリングしたアルバムからの4作目のシングル「ヘイト・ザット・アイ・ラヴ・ユー」を発表。「ドント・ストップ・ザ・ミュージック」はヨーロッパ・シングル・チャート(Eurochart Hot 100 Singles)で3週連続の首位を記録した[20]。第50回グラミー賞に主要2部門、その他4部門、計6部門にノミネートされた。結果は「アンブレラ」でノミネートされていた最優秀ラップ・コラボレーション賞を受賞した。
2008年5月には、アルバムからの5作目のシングルとなる「テイク・ア・バウ」を発表。「アンフェイスフル」や、「ヘイト・ザット・アイ・ラヴ・ユー」と同様、ニーヨによるプロデュースで『グッド・ガール・ゴーン・バッド』の再発盤である『Good Girl Gone Bad: Reloaded』に収録される新曲である。Billboard Hot 100では、ダウンロード解禁を機にチャートをジャンプアップし、1位を獲得。なお、『Good Girl Gone Bad: Reloaded』には、マルーン5とのコラボ曲の「イフ・アイ・ネバー・シー・ユア・フェイス・アゲイン」も収録されている。同年6月には、『Good Girl Gone Bad: Reloaded』のリリースと同時にアルバムからの6作目のシングル「ディスタービア」をリリース。ビデオ公開後、ダウンロードセールスを伸ばし、全米シングルチャート(Billboard Hot 100)で自身4曲目の1位を獲得した。同年9月、リアーナは癌の研究を行う“Stand Up to Cancer”に資金援助をするためのキャンペーンに参加。癌に対しての意識向上と闘病支援、癌の研究や資金を援助する大型キャンペーンで、このキャンペーンの為に組まれたユニットに参加。マライア・キャリー、ビヨンセ、メアリー・J. ブライジなど知名度と人気の高いジャンルを超えた女性歌手15名で構成されるユニットで、9月2日にiTunes Storeでチャリティー・シングル「ジャスト・スタンド・アップ」が発売された。2009年1月、『グッド・ガール・ゴーン・バッド』からの7枚目のシングル「リアブ」が、全米シングルチャート(Billboard Hot 100)でトップ20入りを果たす。ジャスティン・ティンバーレイクが出演したPVが話題となりダウンロードセールスを伸ばし、アルバムからの7枚のシングル全てがトップ20入りという快挙を達成した。
その後、リアーナはジェイ・Zの新作アルバムからのリード・シングル「ラン・ディス・タウン」に客演で参加し、コラボレートした。同曲はBillboard Hot 100にて最高位2位を獲得、その他の国でもトップ10入りのヒットした。リアーナはザ・ドリームやトリッキー・スチュワート、スターゲイト、スラッシュ、ジャスティン・ティンバーレイク、ニーヨ、エイコンらと共に制作された4作目のスタジオ・アルバム『Rated R(邦題:R指定)』を2009年11月23日にリリースした。このアルバムからのリード・シングル「ロシアン・ルーレット」は同年10月20日にリリースされ、同曲は『Xファクター』にてパフォーマンスされた。11月10日にはヤング・ジージーをフィーチャーしたオフィシャル・セカンド・シングル「ハード」をリリースした。当初、アルバムからのプロモ・シングルとされてきた「ウェイト・ユア・ターン」は一転、2010年初頭にオフィシャル・サード・シングルとしてのリリース予定がアナウンスされている。
2010年 - 2012年: 「Loud」、「Talk That Talk」、女優活動
2010年11月6日 スペイン・マドリードにおいて、MTV EMA(ヨーロッパ・ミュージック・アワード)のプレ・パーティー・ステージにて飛び入りでステージ・パフォーマンスに参加。BON JOVIによる“Livin’ On A Prayer”を赤のセクシーなドレスで熱唱。2011年に6枚目のアルバム「トーク・ザット・トーク」を発売。このアルバムからのシングル「ウィー・ファウンド・ラヴ feat. カルヴィン・ハリス」は全米で1位を記録したほか、世界で大ヒットになった。
2012年8月、夏の音楽フェス「Summer Sonic 2012」にヘッドライナーとして登場。久々の来日公演となった[24]。同年9月、Siaがソングライターとして関わったシングル「Diamonds」が世界中でナンバーワン・ヒットとなる大ヒットを記録すると、11月に同曲を収録した7thアルバム「アンアポロジェティック」をリリース。全米1位を記録し、これが彼女にとって初の全米ナンバーワンアルバムとなった。
2015年1月、カニエ・ウェスト、ポール・マッカートニーとのコラボシングル「FourFiveSeconds」を発表し、大きな話題を集める。その後8thアルバムの制作を示唆しながら「Bitch Better Have My Money」、「American Oxygen」と攻めたサウンド・プロダクションの楽曲を立て続けに発表。
2016年1月、インターネット上に楽曲がリークされたことを受けて予定を早めて8枚目のアルバム「アンチ」をストリーミングサービスTidalにて公開。全米1位を記録する。収録楽曲の中でもドレイクを客演に迎えた楽曲「Work」は全米年間チャート4位を記録する大ヒットとなり[26]、後のドレイク「One Dance」、エド・シーラン「Shape of You」といった楽曲のメガヒットにも繋がるダンスホール・ポップの流れを決定付けた。3月から半年以上に及ぶワールドツアー「Anti World Tour」を開始。
『Contemporary Black Biography book』第65巻で、「リアーナはカリブ海から世界に出てきた珍しいR&Bディーバである」と評されている[29]。リアーナはR&Bとカリブ音楽(例えばレゲエ、ダンスホール)を混合させたスタイルで知られている[30]。リアーナはデビュー当初、評論家から「バブルガム女王」[31]といわれ、音楽は「ティーン・ポップ」[32]と位置づけられていた。『サン』のラリー・メイラーは、バッドになっていくリアーナは非常に良いと述べ、力強くステージを揺るがした「ティーン・ポップ」のイメージを払いのけたと評した[32]。2006年にオタワ公演を行った際に『カナダ・オンライン・エクスプローラー』のデニス・アームストロングは[31]リアーナがライブツアーの間、新しいイメージを表す為にぴったりした革の衣装を身に付けていたことを批判した。『タイム』はリアーナのステージ衣装のスタイルをジャネット・ジャクソンのそれと比較した[33]。
2007年10月頃、MTV Video Music Awardsで共にパフォーマンスをしたクリス・ブラウンとの関係が噂される。2人は首に似たようなタトゥーをしている[72]。互いに交際を認める発言はしていないが、ホテルのプールなどで仲良くすごす姿が目撃されている[73]。しかし2009年2月8日の第51回グラミー賞授賞式当日に、2人が車内で口論となりクリスがリアーナに暴行を行うという事件が発生。クリスは暴行を加えたのちにその場から立ち去ったが、後に出頭。逮捕されたものの、保釈金を払い保釈された[74]。後日、クリスは「どれだけ申し訳なく、悲しく思っているか、とても言葉では説明できません。牧師や母、そして愛する人たちに助言を求めているところです。そして神の力を借り、より良き人間に変わることを誓います」と謝罪文を発表[75]。19日、芸能サイトTMZにリアーナの暴行をうけた直後の顔写真がリークされた[76]。暴行をうけた直後からコメントを出さずに沈黙を続けていたリアーナだが、20日にリアーナの広報担当より、「警察の指導により、リアーナのクリス・ブラウンについてのコメントは控えさせていただきます。現在リアーナは元気に過ごしていますので、ご安心ください。この辛い時期に、ファンからはたくさんの温かい声援を頂いています。心から感謝しています」とのコメントが発表された[77]。
母国バルバドスではその世界的な活躍から大きな影響を持っており、半ば神格化された存在にある[80]。2008年にデイヴィッド・トンプソン首相は誕生日の2日後である2月22日を「リアーナ・デー (Rihanna Day)」に制定した。バンク・ホリデー(休日)ではないものの、国民がリアーナを祝う日となった[81]。生家のあるウェストベリー・ニュー・ロード(Westbury New Road)は政府によって2017年11月30日に「リアーナ・ドライブ (Rihanna Drive)」に改称された[82]。また大使に何度か任命されており、2008年に観光省の宣伝を行うバルバドス文化大使の1人に選出され、2018年には同国の教育・観光・投資を促進するための特命全権大使に選ばれた[83]。
2021年11月30日にバルバドスの共和制移行を祝う式典が開かれ、リアーナはこれに参列した。サンドラ・メイソンの大統領就任式の後、リアーナは本名のロビン・リアーナ・フェンティとして国家英雄勲章(英語版)(国民栄誉賞[84])を受賞し、同国では11番目(女性では2人目)となる国家の英雄となった[85]。今後は氏名の前にバルバドス国家英雄のオナラブル(敬称)である The Right Excellen[86]がついて呼ばれる[87]。