また、1970年から『American Top 40』というビルボード誌提供の音楽番組が毎週全米で放送され続けてきた。もっとも長くDJを務めたのは1970年から1988年8月と中断をはさんで1998年から2004年までこの番組にかかわったケイシー・ケイサムである。1988年8月から1994年2月まではシャドー・スティーヴンズ(英語版)が、2004年からケイサムに代わってはライアン・シークレストが務めている。この番組はアメリカ国内だけにとどまらず英語圏各国や日本など世界中でも放送され、番組の隆盛とともにビルボードはアメリカのチャートの代名詞として世界を席巻することになる。とりわけ日本にはビルボードに熱い思い入れを思ってるチャートファンが多く、世界で唯一ビルボードトップ40のテレビ番組(テレビ神奈川)やビルボードの名を冠したクラブが存在している。ただし、現在放送中のAmerican Top 40は名目上、ビルボードのチャートを使用していない。詳細は下記(#集計方法の変更に伴うチャートへの影響)参照。
ニールセンサウンドスキャンやブロードキャストデータシステム(BDS)、それに各ラジオ局の放送リスト、さらに店舗からの売り上げ記録などを総合して、順位を決定している。各チャートごとに選任の担当者がおり、最終的な判断は全て担当者が下している。過去にはマドンナのシングル、『Into the Groove』が12インチシングルレコードであったため、Hot 100の担当者がチャートへの掲載を見送り、R&Bのチャートにのみ掲載されたことがあった。
年間チャート「Year in Music(イヤー・イン・ミュージック)」は、集計対象年の前年12月第1週から対象年の11月最終週までを集計したものとされている。シングル・アルバムにおける年度別の歴代1位は下記となっている。
「End Of The Road」や「I Will Always Love You」は『HOT100 Airplay』でも10週以上の1位を記録しており、セールスの力だけで1位になったわけではない。例えばHOT100の1位連続記録を樹立した「One Sweet Day」にしても空前の売上を記録したわけではなく(およそ230万枚)、R&Bチャートでも1位になっていない(最高2位)。これは『HOT100 Airplay』の主要構成要素であったPOPやAC(Adult Contemporary)、Rhythmic(Rhythm Crossover)といった各フォーマットで連鎖的にヒットしていったことが長期に亘る大ヒットに繋がったことを示している。また、この時期にリアル・マッコイの「Another Night」や、クリスタル・ウォーターズの「100% Pure Love」といったダンスチューンが45週を超える長期ランクインを果たしたのもほぼ同様の理由である。
ビルボードの知名度を世界的なものに押し上げた人気ラジオ番組「American Top 40」もこのような流れの中で、HOT100がセールス重視を打ち出したのとほぼ時を同じくしてHOT100をチャートソースから外し、エアプレイ主体のランキングに切り替えたものの、その後は同じくエアプレイ主体である「ラジオ&レコーズ」をチャートソースとする「Rick Dees Weekly Top40」や「Casey's TOP40」に人気を奪われる形となり、1995年にいったん番組が打ち切られてしまう。1998年に復活した「American Top 40」もビルボードではなく、ラジオ&レコーズのCHR/Pop Chartをチャートソースに使うようになってしまった。また、1998年にはグー・グー・ドールズの「Iris」が、8月1日付けのチャートから12月5日付けまでの間、10月3日付けのエアロスミスの「I Don't Want to Miss a Thing」を除いて約4ヶ月に渡り、HOT100 AIRPLAY史上最長となる18週1位を記録したのだが、発売されていないということを理由にランキングに載せられていないという事態が発生。このような状況の中、ビルボードは1998年12月5日付で、エアプレイとセールスの比率を3:1に再変更した。この初のチャートで「Iris」は9位にランクインした。
この再変更ではR&Bやカントリーなど各ジャンルからのチャートを集計した総合チャートとしての色彩を強め、これまで認めてこなかったエアプレイのみでの発表曲もチャートインさせることにした。しかし、例えばR&Bやヒップホップの曲はメインストリーム(ポップ)局だけでなくR&BやRhythmic、Urbanなどの各フォーマットでクロスオーヴァーヒットするため合計ポイント数が自ずと高くなるが、それに対しカントリーはほぼカントリー局、ロックはロック系フォーマットやポップ系フォーマットでのみ集計されるためもともとオーディエンスが少なく、ジャンルによって強弱が目立つ集計となり(Top40/ポップ系のオーディエンスがオーディエンス全体の中で実際はあまり多くないため[要出典])、結局その後もオーディエンスの多いヒップホップ系やR&B系の曲ばかりが上位に上がり、長期間1位に滞在し続けるというポップ・ロックファンから見れば偏った「総合チャート」が毎週発表され続けることになる。遂にニッケルバックの2001年のシングル「How You Remind Me」を最後にその後6年近くもロック系アーティストによる楽曲が1位に到達することはなくなってしまう[5]。
2007年5月にはロックバンドであるマルーン5の楽曲「Makes Me Wonder」がこのダウンロードセールスが効き3週1位となった。ポップバンド扱いされることもあるが、ロックバンドによる1位獲得はニッケルバック以来のことであった[6]。このようにダウンロード件数重視により、ポップ・ロックソングに対する門戸が広まったといえる。しかし、同時にダウンロード件数増加によりそのポイントが強力になりすぎて、ダウンロードが解禁されたとたん大幅にジャンプアップするという現象が発生するようになった。この「Makes Me Wonder」は当時史上最高となる64位からのジャンプアップだった。このように、現在の集計方法においては上位はほぼエアプレイを無視したチャートになっており、集計方法に対する試行錯誤は当分続くことになると思われる。