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暗殺教室

暗殺教室

テレビアニメにて使用されているタイトルロゴ
ジャンル 少年漫画学園青春風刺
テクノスリラーSFコメディ[1]
ブラック・コメディ
クライム・サスペンス
漫画
作者 松井優征
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表号 2012年31号 - 2016年16号
発表期間 2012年7月2日[2] - 2016年3月19日
巻数 全21巻
話数 全180話+番外編4話
アニメ
原作 松井優征
監督 岸誠二
シリーズ構成 上江洲誠
脚本 上江洲誠
キャラクターデザイン 森田和明
メカニックデザイン 廣瀬智仁
音楽 佐藤直紀
アニメーション制作 Lerche
製作 アニメ「暗殺教室」製作委員会
放送局 フジテレビほか
放送期間 第1期:2015年1月10日 - 6月20日
第2期:2016年1月8日 - 7月1日
話数 第1期:全22話
第2期:全25話
ゲーム:暗殺教室 殺せんせー大包囲網!!
ゲームジャンル コミカルアサシンアクション
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 バンダイナムコゲームス
メディア 3DSカード、ダウンロード
プレイ人数 1人
発売日 2015年3月12日
売上本数 106,265本[3]
レイティング CEROB(12才以上対象)
キャラクターボイス あり
ゲーム:暗殺教室 アサシン育成計画!!
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
メディア 3DSカード、ダウンロード
プレイ人数 1人(通信時2 - 4人)
発売日 2016年3月24日
レイティング CEROB(12才以上対象)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

暗殺教室』(あんさつきょうしつ)は、松井優征による日本漫画。『週刊少年ジャンプ』(集英社)において、2012年31号から2016年16号まで連載された。2023年10月時点でシリーズ累計部数は2700万部を突破している[4]

概要

テーマが「主人公たちの担任教師暗殺すること」であり、サスペンスの要素がある学園漫画コメディ漫画でもある。メタフィクションとしての要素もあり、同一作者の作品である『魔人探偵脳噛ネウロ』との繋がりを示唆する描写がある。

話数カウントは「第○話」で、サブタイトルは毎回「○○の時間」となっている。ただし、同名サブタイトルの場合は「○○の時間・○時間目」となったり、「の」が語法上なかったりすることがある。

松井の話によると、「この作品の着想は、第1話2〜3ページ目の“生徒が一斉に先生に銃を突きつけるシーン”が思い浮かんだことから」だという。思い浮かんだ後は、そのシーンが成り立つための世界設定やキャラクターを当てはめていった。「離れ校舎のE組」という設定も、「前述のシーンが周囲の目などがある大きな校舎の中では成立しづらいので、『周囲の目がない離れ的な校舎が望ましい、それに合った設定は…』という流れで考えて自然に決まっていった」などと語っている[5]

2012年11月2日には単行本第1巻が発売され、それを記念して同日から56時間の殺せんせーによるジャンプ公式サイトのジャックが行われた[6]

各単行本の幕間には何らかのおまけが描かれており、本編の補足や登場人物の詳細が描かれている。

本作品の第21巻(最終巻)には『特別読切 東京デパート戦争体験記』が収録されている[7]。同作は連載会議を通らなかったが直後に本作品の連載が決まったため、使用予定だったキャラクターデザインの多くがスライドされている。

メディア展開

連載当初からアニメ化・VOMIC化などメディアミックスが行われている。2015年1月から6月にはテレビアニメ(1期)が放送された。2015年3月に実写映画が上映された。テレビアニメからはゲームなどが派生した。2015年10月からは『最強ジャンプ』にてスピンオフ作品『殺せんせーQ!』が連載開始した。2016年にはアニメ映画も公開され、殺せんせーQも映画化され、殺せんせーQはシリーズ化も発表された。2016年3月11日にはアニメセカンドシーズン「課外授業編」として、テレビ放映されていない原作ストーリーの一部をdTVから独占配信された[8][9]

あらすじ

ある日突然、進学校「椚ヶ丘中学校」の成績・素行不良者を集めた3年E組の元に防衛省の人間と、異形な姿をした謎の生物がやって来た。マッハ20で空を飛び、の7割を破壊して常時三日月の状態にしてしまった危険な生物は「来年3月までに自分を殺せなければ地球を破壊する」ことを宣言したうえ、「椚ヶ丘中学校3年E組」の担任教師となることを希望した。

意味の分からない要望に政府は戸惑いつつも、3年E組の生徒に「謎の生物の暗殺」を依頼。生徒たちは最初こそ戸惑うが、「成功報酬:100億円」のために殺る気を出す[注 1]。その生物=殺せんせー(ころせんせー)の存在とその目的を把握しているのは日本をはじめ各国の首脳陣といったほんの一部の人間のみで、「殺せんせーの存在や殺せんせーの暗殺に携わっていることを、家族を含めた第三者へ絶対に口外してはならない。口外した場合は“記憶消去処置”を施される」「殺せんせーは、3年E組の生徒に絶対に危害を加えてはいけない。ただし、その家族友人は対象外」などの様々な決まりの下に生徒たちは殺せんせーを様々な手段で暗殺しようと試みるが、毎回殺せんせーの素早さと予測不能の行動で阻止され、逆に殺せんせーによる手入れを受けることになってしまう。

しかし、いざ授業が始まってみると暗殺者と標的という異常な状況ながら、多くの生徒たちは殺せんせーの指導と手入れによってこの暗殺教室を楽しみ、今までの「学校中から差別された底辺学級」としてではない前向きな学校生活を送るようになっていく。その一方、生徒の他にも殺せんせーを暗殺するため、世界中から暗殺者が送り込まれてくるのだった。

4月(第1話 - 第7話)
E組による殺せんせーの暗殺を狙いながらの学校生活が始まる。誰もが有効的な攻撃ができない中、寺坂グループの圧迫的な提案で潮田渚は捨て身の暗殺を決行するが、殺せんせーの怒りを買い、生徒は契約により殺さないが生徒の家族は契約外であることを示され、「人に笑顔で胸を張れる暗殺」をするように諭される。
その後もE組に落とされたことにより野球部を退部させられた杉野友人を殺せんせーが論理的な事実を持って励ましたり教師不信の赤羽業の心身をケアするなど、生徒が教師を暗殺するという目的の中にもE組に落とされた理由を明らかにし、殺せんせーにしかできない方法で問題を解決または改善に向かわせるという指導はこれからも生徒一人一人に及んでいい効果を見せていく。殺せんせーを監視する烏間惟臣は暗殺交じりの学校生活を異常と見なすものの、前向きになり明るい表情を見せる生徒たちの姿を見て、殺せんせーによる指導を認めるようになっていた。
しかし、進展を見せない生徒たちの暗殺に不安を覚える国は、E組にプロの暗殺者を送り込むことを決断した。
5月(第8話 - 第22話)
殺せんせー暗殺のために、英語教師の名目で政府から派遣された殺し屋のイリーナ・イェラビッチが着任する。生徒たちはイリーナのビジネス的なやり方に不満を覚え学級崩壊を引き起こす事態となるが、イリーナ自身も烏間の説得で徐々に生徒たちと打ち解け、クラスに溶け込んでいった。
その後椚ヶ丘中学校理事長・浅野學峯と対面した殺せんせーは彼の挑発まがいの発言から生徒たちに試験勉強をさせるが、勉強よりも賞金100億を獲得することを重視する生徒たちにあきれ、中間テストでクラス全員が学年50位以内に入らなければE組から出ていくと本気で宣言する。テスト本番では理事長の妨害工作でE組の面々は50位内に入ることができなかったものの、上位に食い込んだカルマの挑発を受けた殺せんせーはE組残留を決める。
京都への修学旅行では、不良グループによる茅野・神崎の拉致事件、および国が雇った狙撃手レッドアイによる暗殺作戦が起こるも、拉致は殺せんせーが事前に授けた策で無事解決し、暗殺もことごとく失敗に終わり滞りなく終了した。
修学旅行から戻ると、E組には最新技術を駆使して作られた自律思考固定砲台(律)が送り込まれていた。当初は授業中でもお構いなしに暗殺を実行する彼女に生徒たちは迷惑するが、殺せんせーに改造された律は一転生徒たちと打ち解け、さらに自らの意志でE組の一員であることを選択する。
6月(第23話 - 第36話)
前原陽斗を侮辱し屈辱的な扱いをした土屋果穂瀬尾智也に渚たちと殺せんせーが見事に仕返しをした数日後、イリーナの師匠にして殺し屋の斡旋業者・ロヴロが現れ、一向に暗殺できずにいる彼女にE組からの撤退を要求するが、殺せんせーのアイデアで烏間との模擬暗殺を行うことになる。最終的に烏間の判断でイリーナの勝利となり、E組残留が決定した。
律に続き、第2の転校生暗殺者・堀部イトナが現れるが、彼は殺せんせーと自分は兄弟と発言してクラスを騒然とさせる。イトナの保護者を名乗るシロの仲介のもと暗殺が始まるが、イトナは殺せんせーの物と同じ触手を出して殺せんせーを圧倒する。しかし機転を利かせた殺せんせーが辛くも勝利しイトナは敗北により暴走しかけたものの、シロは休学すると言い残し、イトナを連れて去っていった。
その後、クラス対抗球技大会のエキシビションマッチの試合で杉野の旧友である進藤一考が率いる野球部と対戦することとなる。周囲から負けを期待されながらもE組は殺せんせーの監督で野球部を圧倒、野球部の指揮権を理事長が乗っ取ったことで一時劣勢に立たされるものの殺せんせーとカルマの策略により野球部は敗北、殺せんせーは中間テストのリベンジを果たし杉野と進藤も無事に和解した。
7月(第37話 - 第56話)
防衛省から烏間の補任として鷹岡明が派遣されるが、鷹岡は過酷なカリキュラムを生徒たちに課し、異を唱える生徒には容赦なく体罰を加える非情かつ冷酷な危険人物であった。烏間は生徒たちを救うために鷹岡の勝負の提案に乗り、渚を指名。最初は体格などで渚を侮っていた鷹岡だが、予想外の暗殺の才能により渚に敗北。さらに理事長によって解雇通知を言い渡され、鷹岡はE組を去る。
鷹岡の一件から数日後、殺せんせーは裏山にE組専用のプールを設営するが、その中で殺せんせーの重大な弱点が「水」への接触であることが判明する。殺せんせーは元水泳部の片岡メグの問題を解決したものの、その後シロに買収された寺坂竜馬の裏工作と再改造されたイトナによってプールで危機に陥ってしまう。しかしカルマに叱責され策を授けられた寺坂により窮地を脱し、他の生徒たちによって戦闘不能の状態になったイトナはシロと共に再び撤退していった。
期末テストが迫ると、殺せんせーは生徒たちに総合点の他に1科目で学年1位を取った者には自身の触手を一本破壊する権利を与えると宣言する。そして渚たちは理事長の息子・浅野学秀率いる学年屈指の秀才5人組「五英傑」の提案で、A組とE組のどちらが多くテストで学年一位を取るか賭けをすることになった。勉強の末にE組は7人(理1人・社1人・英1人・家4人)が学年1位を取ることに成功し、E組は賭けの戦利品である沖縄の離島リゾートで行われる特別夏期講習への参加を獲得し、触手破壊を踏まえた暗殺をその島で行うこととなる。
8月(第57話 - 第76話)
リゾートでの殺せんせー暗殺の直前、ロヴロを講師に迎え最後の訓練が行われ、渚はロヴロに「必殺技」を伝授される。
普久間島での暗殺は順調に進むが、終盤で殺せんせーが奥の手中の奥の手「完全防御形態」となったことで暗殺は失敗に終わった。さらに第三者勢力によって生徒の半数が未知のウイルスに感染させられてしまう(男子:岡島、杉野、前原、三村、村松、女子:神崎、倉橋、中村、原、狭間)。未感染の生徒たち(同じ未感染の奥田と竹林を除く)は黒幕を倒して治療薬を奪取すべく、裏社会と繋がりのある「普久間殿上ホテル」への侵入作戦を決行する。潜入後はイリーナが警備員を引き付けるために一時離脱、烏間も黒幕が雇った殺し屋の毒ガスに倒れてしまうが、何とか黒幕の雇った3人の殺し屋(スモッググリップガストロ)を倒すことに成功する。最上階にたどり着いた一同だったが、黒幕の正体はE組を逆恨みしていた鷹岡だったことが発覚。さらに鷹岡は彼らの目の前でウイルスの治療薬を爆破し、怒りに燃える渚は彼と一騎討ちをすることになる。当初は実戦経験が豊富な鷹岡に圧倒された渚だったが、ロヴロから授けられた「必殺技」で見事鷹岡を倒すことに成功する。その後、生徒たちに盛られたウイルスは殺し屋たちの判断で食中毒菌を改良したタイプにすり替えられていたことが判明し、生徒たちはホテルからの脱出に成功する。
夏休み最後の日は殺せんせーと生徒たちは夏祭りを楽しむが、同時期にロヴロが死神に襲撃され、さらに南の島での暗殺の結果から殺せんせーの暗殺に成功した場合の賞金が300億円にアップされるなどE組の暗殺の環境が大きく変わり始めていた。
9月(第77話 - 第94話)
2学期が開始された矢先、竹林孝太郎が理事長の勧めで本校舎のA組に移籍していた事実が発覚する。さらに自分たちを見下すような発言をした竹林に腹を立てたE組は竹林に真相を確かめに行くが、今の自分には暗殺よりも家族に認められる方が大事だという彼の発言に大半の生徒は何も言えなくなってしまう。そんな中、竹林は理事長から創立記念集会でE組を侮辱する内容のスピーチとE組管理委員会の設立をするように依頼される。一度は引き受けるが、帰宅中に殺せんせーに諭されたことで自らの本心を全校生徒の前で打ち明け、理事長室から持ち出した盾を自ら破壊しE組に戻る。
暗殺訓練にフリーランニングが取り入れられてから数日後、殺せんせーを連想させる人物による連続下着泥棒事件が発生する。調査に乗り出した渚たちと殺せんせーは、真犯人のシロとイトナに遭遇する。当初はイトナの攻撃に押されていた殺せんせーだったが、彼の攻撃を見切り「完全防御形態」の応用技で撃退に成功する。しかし度重なる敗北のショックやシロから見捨てられたことで触手が拒絶反応を起こしたイトナは暴走状態となり姿を消してしまう。翌日、町中の携帯ショップを破壊していたイトナを発見したE組と殺せんせーは説得を試みるも、シロがイトナを連れ去り、後を追った殺せんせーもシロの罠の前に防戦一方となってしまう。しかし、シロによって駒にされたことに怒った生徒たちによってイトナは奪還されてシロは撤退する。そして寺坂グループの尽力によってイトナはE組に心を開き、触手を除去することに成功した後E組に迎え入れられる。
殺せんせーが木村正義の問題(名前のコンプレックス)を解決した数日後、磯貝悠馬アルバイトをしていたことが五英傑に知られてしまい、黙認してもらう条件として体育祭棒倒しでA組と勝負をすることになる。A組は助っ人として外国人4人を研修留学生として投入してきたが、磯貝は殺せんせーの個別授業をヒントにした作戦を展開してこれを撃破し、E組は勝利する。
10月(第95話 - 第110話)
体育祭から数日後、迫る暗殺期限に焦りを感じた生徒たちは岡島大河の提案で暗殺技能向上のため街中でフリーランニングを行うが、岡島が誤って無関係の老人、松方にケガをさせてしまう。これに激怒した殺せんせーは生徒に初となる体罰(触手によるビンタ)を決行し、反省の意味も含めて中間試験までの2週間を「テストよりも優先する勉強をする」としてテスト勉強を禁止し、松方が経営する保育施設を生徒たちで手伝うことを提案する。2週間の手伝いを無事に終えるも中間試験ではE組全員が大幅に順位を下げる結果となるが、唯一上位に食い込んだカルマに触発されて生徒たちは自分たちの力は誰かのために使うと決意し、烏間から新たな体育着を譲り受ける。
レッドアイが死神に襲撃された数日後、烏間の些細な発言が原因でイリーナが行方不明になる事件が発生。その直後死神がE組の前に現れ、イリーナを人質に取っていることを話して生徒たちだけで自身の下へ来ることを要求する。殺せんせーと烏間を欠いた状態で生徒たちは超体育着を着て死神のアジトに乗り込むも罠にかかり捕えられてしまう。一度は脱出に成功するも死神の高度な技術やイリーナの裏切りにより再び捕えられ、さらに救出に来た殺せんせーも捕えられてしまう。しかし死神が生徒ごと暗殺を遂行しようとしていることを知った烏間は死神を止めるべく反撃を開始。烏間の驚異的な実力を目の当たりにした生徒たちは殺せんせーと共に死神に一泡吹かせるために行動を開始し、見事騙すことに成功。烏間は死神と直接対決に臨み、殺せんせーの策で見事勝利した後、死神に唆されていたイリーナとも和解する。この一件を受けて、殺せんせーは防衛省に「暗殺によって生徒を巻き添えにすれば賞金は支払われないものとする」との条件を突きつけるも、既に各国共同で最終暗殺計画の準備が着々と進められていた。
11月(第111話 - 第118話)
殺せんせー暗殺期限が迫る中、E組で進路相談が行われる。そこで渚は自分は殺し屋になるべきなのかを殺せんせーに打ち明ける。殺せんせーは自分自身をもう一度見つめなおすように勧めるも、渚は母親である広海からの進路や生き方の強制に苦しめられていた。渚を本校舎へ復帰させようとする広海がそのことを相談するべくE組を訪れる。出張中の烏間に変わり、彼に扮した殺せんせーが面談に臨むも、広海の本性を知りその申し出を拒否する。それに逆上した広海は渚にE組の校舎を燃やさせようとするが、渚が自らの思いを語った上で殺せんせーを暗殺しに来た殺し屋を撃退する様子を見て、息子が自身と別の存在であることを痛感し、紆余曲折の末E組に残ることを認める。
その数日後学園祭が行われることとなり、大手外食チェーンとスポンサー契約を結んだA組に対抗するべく、E組は山で採れた様々な食材を使用した飲食店を開くことに決定する。文化祭では当初は学秀が芸人やアイドルを呼んだ影響でA組がリードしていたが、以前普久間島で女装した渚に惚れた金持ちのユウジがE組の情報を自身のグルメブログに書き込んだことで2日目には大盛況となる。結果的に自然の生態系が乱れることを懸念した殺せんせーの判断で途中で店を畳むが、それでも全校で3位の売り上げをたたき出した。理事長は学秀が努力を怠ったと批判するが、学秀は弱い相手に勝ったところで強者になれないという結論に辿りついたと理事長に告げる。理事長は学秀以外の五英傑にE組に対する憎悪を植え付け、期末テストは自身が取り仕切ると宣言する。
12月(第119話 - 第141話)
期末試験が近づく中、理事長がA組の担任となるも、E組への憎悪を煽る異様な教育風景に危機感を感じた学秀はE組に「期末テストで学年上位を独占することで理事長の教育方針を壊してほしい」と依頼する。そしてテスト本番では多くの生徒が難易度の上がったテストに苦戦するが、E組の生徒たちは全員が学年50位以内に入ることに成功する。一方でA組の生徒たちに自身の教育方針を真っ向から否定された理事長は思考が暴走し、E組の校舎を半壊させ、殺せんせーに解雇通知を突き付け、互いの命を懸けた勝負を挑んでくる。勝負では当初こそ理事長がリードするも、殺せんせーからE組制度を通して本当に自分がやりたかったこと・成し遂げたかったことを指摘された理事長の心境は変化し、E組の存続を認める。
しかし、冬休み直前、茅野が触手を出して殺せんせーを襲撃する事件が発生。彼女は自分がE組の元担任・雪村あぐりの妹・雪村あかりで姉の復讐のために今まで行動していたことを語り、殺せんせーに対決を要求する。対決では茅野は触手を発火させて殺せんせーを追い詰めるも、渚の秘策の前に我を取り戻す。そして殺せんせーは3月には自分は死ぬこと、そして自分はかつて「死神」と呼ばれていた殺し屋であることを明かし、自分の過去を語り始める。
かつて「死神」として活動していた殺せんせーは、とある仕事で唯一の弟子(E組が出会った死神)に裏切られたことで、天才科学者・柳沢誇太郎が主任を務める研究所にモルモットとして捕らわれてしまった。そこで柳沢の「人体で反物質を生成する」研究の実験体として実験の日々を送ることになる。そんな中E組の前担任である雪村あぐりと出会う。当初は実験とあぐりを利用して脱走を計画していた死神だったが、あぐりと接するうちに心境に変化が生じ、徐々に彼女と心を通わせていく。しかし実験の影響で死神の手足は変化して触手と呼ばれるようになる。3月になると月で同じ実験をしていたマウスが月ごと爆発したことで実験の欠陥が明らかになり、柳沢は殺せんせーを始末しようと行動を開始する。当の殺せんせーはこれを期に反物質の力を開放して脱走を図る。その圧倒的なスキルと触手に警備員がなすすべなく倒されていく中、彼を止めようとしたあぐりが触手地雷に貫かれて致命傷を負ってしまう。自分の力を後悔した死神は、彼女の最後の言葉を実行するために自ら弱くなることを望み、現在の姿となったのであった。
これらの告白を機に、E組の皆は、全ての真相にたどり着き、自分たちの担任教師を実際に暗殺する任務を背負っているという事実に直面してしまう。その結果、冬休み間はE組からの暗殺を誰一人として実行できなかった。
1月(第142話 - 第153話)
冬休みに誰一人暗殺を実行できないまま、遂に3学期を迎えたものの、E組の雰囲気はいつになく気まずくなっていた。殺せんせーの正体を知ったことで自らの殺し屋としての過去を内省したイリーナは、担任を殺しあぐねている生徒たちに、きちんと自分の気持ちと向き合うように諭す。そこで、殺せんせーを殺したくないという気持ちを固めた渚や一部のE組生徒は、彼の生命を救い出す方法を考え始めるが、中村など一部の生徒が渚たちの考えに真っ向から反対する考えを示す。渚は何とか説得を試みるも、暗殺を続けたい一人であるカルマとE組以前の擦れ違いも重なり口論の末暴行沙汰に陥りかける。そこをことの張本人である殺せんせーが殺す派と殺さない派のサバイバルゲームで決着を付けることを提案し、提案に乗ったE組は両陣営互いのスキルを生かし壮絶な消耗戦を展開する。最後は渚とカルマの一騎討ちの末渚たち殺さない派が勝利し、1月の間は殺せんせーを助ける方法を模索することに決定する。
律の調査により国際宇宙ステーション(ISS)反物質に関する研究が行われていることを知ったE組一同は、そのデータを知るべく殺せんせー発案の潜入ミッションを実行する。ロケットにダミーの人形にすり替わる形で乗り、ISSに潜入した渚とカルマは宇宙飛行士たちと親睦を深めてデータの入手に成功。帰還後に解析を行った結果、殺せんせーが地球ごと爆発する可能性は1%以下と判明する。しかし教師として生徒たちの願いを一時は聞き入れていた烏間は、殺せんせーが危険生物であることと防衛省の考え上暗殺依頼が撤回される可能性は低いと告げる。これを機に渚たちは暗殺への考えを改め、もう一度正面から暗殺の任務と向き合った末に、E組全員で卒業までは任務を続けることを誓うのだった。
2月(第154話 - 第163話)
本格的に受験シーズンが始まり、竹林が第一志望校に不合格となるも殺せんせーの助言とE組での経験から立ち直り、渚は補欠合格となるも将来の目標を明確にし始める。
バレンタインでクラスの男女の仲が深まりつつある中、柳沢と二代目「死神」が殺せんせー暗殺に向けて動きだし、超国家間でも大規模な最終暗殺計画が着々と進められるなど世界が殺せんせー暗殺に向けて動き出していた。
E組が政府に雇われたホウジョウと接触した後、行方不明となっていたイトナの父が現れ、生徒全員の進路が決まりつつあった。
3月(第164話 - 第178話)
E組全員が第二志望内で高校に合格し、E組専用の卒業アルバムが殺せんせーにより撮影される。撮影後の夜、遂に各国家間による最終暗殺計画が始動する。暗殺兵器「天の矛」「地の盾」により殺せんせーは完全に旧校舎に閉じ込められ、世間に暗殺と殺せんせーのことが事実と異なる形で報道される事態が発生。学校へ向かおうとした生徒たちは自衛隊とマスコミに取り囲まれる事態に陥り、辛くも逃げ延びるも情報を集めようとした行動を危険視した政府によって捕えられてしまう。生徒たちは暗殺作戦中止を懇願するも、殺せんせーの人間だったころの所業や地球爆発の危険が0%でないことを考慮すれば容認できないと跳ね除けられてしまい、暗殺終了まで監視下に置かれ軟禁状態に置かれることに。生徒たちは烏間の言葉と情報を受け冷静さを取り戻し、自分たちに出来ることを考えることにし殺せんせーに会うための作戦を立てる。そして天の矛発射当日、イリーナの協力で脱出に成功した生徒たちは警備の目を掻い潜り裏山に侵入、ホウジョウ率いる傭兵部隊「群狼」を撃破し、さらなる連携でホウジョウを戦闘不能に陥らせ見事殺せんせーの下へ辿り着くことに成功する。
生徒たちは殺せんせーに何とかして逃げようと提案するも、殺せんせーは自分の危険性や世界中の英知を結集した今回の作戦は完璧であったと納得のいかない生徒たちを諭した。そして中村が持ってきていた殺せんせーのバースデーケーキを囲み束の間の平穏が訪れたが、柳沢と触手生物化した二代目「死神」が現れ、そのまま戦闘に突入。殺せんせー超過の能力を発揮する二代目と自らの体内に触手を埋め込んだ柳沢の猛攻に劣勢に立たされる殺せんせーだったが、二代目の攻撃から殺せんせーを庇った茅野が胸を貫かれて絶命してしまう。殺せんせーは全ての感情を込めたエネルギー砲で二代目を攻撃し因縁に決着をつけた後、1年間磨き続けた力を使い茅野を蘇生させる。
全てが片付いた後、E組はレーザーが発射されることを知った上であえて自分達の手で殺せんせーを殺すことを決意する。一同の同意の元、渚が殺せんせーに止めを刺し、涙ながらにE組は暗殺教室を卒業した。
卒業式を終えた後、余波でE組制度は廃止となり理事長は学園の経営を手放すこととなる。E組は支払われた賞金を学費と将来の頭金、わかばパークなどへの寄付、「とある物」の購入に使い、残りの賞金は政府へと返還する。一年の象徴であった三日月は徐々に崩壊を始め、元の球形へ戻ろうとしていた。
7年後(第178話 - 第180話(最終回))
生徒たちはそれぞれの道を歩みつつも、賞金で買い取った「とある物」である裏山の旧校舎に度々集い「手入れ」を行っていた。高校で不良たちを相手に、E組での経験を活かし授業を始める教育実習生となった渚の姿で物語は幕を閉じる。

登場人物

声の項は、アニメ版 / ジャンプ・スーパーアニメツアー2013版 / VOMIC版の声優の順。1人のみの場合はアニメ版の声優を示す。演の項は実写映画版でのキャスト。3年E組の卒業後にあたる将来の進路や登場人物のその後については原作最終話及び「卒業アルバムの時間」に描かれた。

主人公

殺せんせー(ころせんせー)
声 - 福山潤[10] / 関智一 / 小野坂昌也
演・声 - 二宮和也[注 2]
本作品の主人公。「殺せんせー」は茅野が「殺すことができない先生」という意味でつけたニックネーム。月の7割を爆破して常時三日月の状態にしたと自ら語った上で、「1年後に地球を爆破する」と宣言している。3年E組の暗殺対象。
ある女性(後述)との約束で椚ヶ丘中学校3年E組の担任と授業を受け持つことになり、英会話(イリーナ)と体育(烏間)を除く全教科を担当。授業中はアカデミックドレスを着用し、三日月が刺繍された巨大なネクタイを着けている。
丸顔で何本もの触手を持つ正体不明の生物で見た目は黄色のタコに近い。普段はニヤリとした表情を浮かべている。笑い声は「ヌルフフフ」で、狼狽したり驚いたりするときには、「にゅやッ!」という独特の奇声を発する。
体は炭素化合物珪素化合物のハイブリッド結合で出来ている。国が開発した対先生用の特殊な物質で触手にダメージを与えることが可能だが数秒で再生・回復する。しかしこの再生はかなりのエネルギーを消耗するため行った直後は動きが鈍くなる。その他にもいくつか弱点が存在し、潮田渚によってリスト化されている。さらに、ネクタイの真下には急所である心臓が存在し、そこに攻撃を当てれば一発で絶命する。
普段は慇懃無礼な口調ながらも物腰が柔らかく、E組の生徒たちに対しても基本的に丁寧な態度で接し一人一人への気遣いも見せる。ただし、道を外れた行動をとる者に対してはド怒り状態になって憤慨する。また、自分の教え子に対して危害を加える人間にも激しい怒りを見せ、必要に応じては触手を用いて制裁を下す。
趣味は暗殺者への報復としての「手入れ」で、対象は人の心身・物品にまでおよぶ。どんなに精密な作業も一瞬のうちにやってのけることができ、暗殺決行中に攻撃を避けながら手入れすることもたびたびある。
正体は「死神」という通り名を持つ殺し屋であった人間の男性。柳沢が主任を務める研究所での実験の結果、異形になってしまった。そこで出会ったE組の前担任である雪村あぐりが自身の暴走の結果致命傷を負ってしまったことから、自身の体を誰かを助けるために変化させなかったことを強く後悔し、彼女の最後の言葉を実行するため「弱くなりたい」と願い、現在の姿となってE組の前に現れた。トレードマークであるアカデミックドレスは、変異する際に潜んでいた山で見つけたカラムシの糸を編み込み、炭で染めて自作した物で、ネクタイは「出会って一年の記念日」としてあぐりからプレゼントされたもの。
最期は生徒たちの手によって地面に押さえられ、28人全員の出席を取った後、渚の対触手ナイフにネクタイごと心臓を貫かれ消滅した。
消滅前に生徒一人一人に卒業アルバムとアドバイスブックを残しており、生徒たちはそれぞれそのアドバイスを参考に後に順調に志望の進路へ進んでいる。E組の意向では作られず、成功報酬300億円の一部で購入された旧校舎周辺の裏山が、「二人(殺せんせーとあぐり)がいつでもいるところ、皆がいつでも帰ってこれる場所」として使われ、元E組生徒によって定期的に手入れが行われている。

3年E組

連載開始時の在籍は26人だったが、物語の展開過程で暗殺目的の転入生として律とイトナが加入し、計28名(男子15名、女子13名)で構成されるようになる。

男子生徒は渚、業、イトナを除く全員が常に名字で呼ばれる。

生徒の暗殺タイプは下記の3種類のタイプに分かれているが、転校生である律とイトナは分類されていない。

  • 暗殺に積極的な生徒(磯貝、岡野、片岡、木村、倉橋、杉野、前原、三村、矢田)
  • 暗殺のサポートに回る生徒(岡島、茅野、神崎、渚、千葉、速水、原、不破)
  • 個人主義の生徒(業、奥田、菅谷、竹林、寺坂、中村、狭間、村松、吉田)

本項では各メンバーを分割して記述する。

主要生徒

潮田 渚(しおた なぎさ)
声 - 渕上舞[10] / 東山奈央 / 山本希望
演 - 山田涼介
出席番号11番。本作品の語り部であり、実質的な主人公[11]ピッグテールのような水色の髪型[注 3]をしている少年。
自他共に認めるド草食であり、基本的におとなしく温和で、器量の良い性格の持ち主。殺せんせーを追い詰めて暗殺する過程で観察力を養い、常に殺せんせーの特徴や弱点をメモしている。身長が低いことが最大の悩みで、賞金を手に入れたら「身長を買いたい」と望んでいる。また、同級生の女子からも女性と見られるほど少女然とした容姿の持ち主でもあり、女装をすると男子に好まれるほどの魅力を持つ美少女になる。しかし当人の精神面は男であり、女子のように扱われることは嫌がっている。同級生や先生をはじめ、基本的に他者からは下の名前で呼ばれているが、これは両親が離縁しているためと、「母と決別した後、父方の名字に戻っても違和感が無いように」するためであると後に判明した。
母である広海からは歪んだ愛情によって生き方や進路・外見を強制されているが憎もうとせず、彼女を危機から救った際に自分の思いのたけを明かし、進路についても文化祭での対話で了承を得た。また、夫婦不仲を堪えかねて妻と離縁した父とは今でも良好な関係を保っている。
成績不振からE組に落とされるが、それ以上に元同級生たちや元担任の大野から掌を返すように見放され、期待も警戒もされず誰にも認識すらされなくなった自分に絶望。劣等感から自身の命さえも軽視してしまうが、それでいて認められた人間が気にくわないという嫉妬の感情も持っている。良くも悪くも一目置かれている殺せんせーを当初は羨んでいたが、殺せんせーへの自爆テロ未遂を経て、劣等感は以前よりは少なくなった。肝心なところでスペルミスを犯す癖があるが、一学期期末テストの英語で学年6位を取っており、二学期期末テストでは総合14位を取っている。
運動能力や戦闘力は高くはないが、鷹岡が見せしめとして提案した対決戦では、烏間から腕利きの生徒として選ばれ「本物の戦闘用ナイフ」を手に取り戦い、周囲の予想を超える暗殺力をもって勝利を収めるなど、「殺気を隠し、自然な体運びで対象に近付く才能」「殺気で相手を怯ませる才能」「『本番』に物怖じしない才能」など暗殺の才能に非常に長けているということが証明される。華奢な印象を醸し出す細身で小柄な容姿も相手を油断させ、才能の発揮に役立っている。ロヴロも彼の暗殺の才能を高く評価し、夏休みに特別講師として訪れた彼により猫騙しを応用した必殺技を伝授され、鷹岡に仕掛けられた復讐戦でも再び勝利している。上述した家庭事情に加え「死神」との戦いを経たことで「意識の波長」をハッキリと感じ取れるようになり、完璧とはいえないが死神のスキルの一つであるクラップスタナーを身につけるなど、暗殺に適した数々の才能・技能を持っていることに一時期強い戸惑いを抱くが、母親を殺し屋から守った後に「誰かを守るために使いたい」と考えるようになる。このときから持つようになった暗殺の才能の使い道も相まって、殺せんせーの過去を知った際には殺せんせー暗殺の任務への迷いを経て、イリーナの言葉を機に任務を遂行する以外の選択肢で恩師の命を救う方法を、同様に暗殺の任務に迷いを抱える生徒たちと共に模索しようとする。その過程でE組以前からの擦れ違いを抱えていたカルマと仲違いするものの、サバイバルゲームを通じた語り合いで和解、互いに呼び捨てで呼び合うようになる。
高校受験では、椚ヶ丘超過の難関校である『蛍雪大学付属高校』を受験。結果は補欠合格であったが、繰り上げ合格となる。また、この時期と前後して大学進学後の進路についても改めて考えるようになるが、さくらの言葉により自分が「教師」としての殺せんせーに憧れていたことに気付く。その後、殺せんせーとの最後の面談において「殺せんせーみたいな教師になりたい」と教師を目指す決意を明らかにする。
最終暗殺計画の発動により政府に拘束された際には、烏間の言葉の真意を悟り、自分たちがこれからどうすべきかをE組一同に提案する。脱出後は、広海の了承を得て最終ミッションに臨み、ホウジョウにクラップスタナーを決めるなどの活躍を見せた。最後は一同了承の下、自らの要望で殺せんせーに止めを刺した。後に離縁していた両親は復縁し、一家での生活も取り戻している。
7年後は不良校の「市立極楽高等学校」の教育実習生となっているが、身長は160cmと1cmしか伸びず、外見も髪を切った以外はほとんど変化していない。その見た目から不良たちに「中学生」などと舐められていたが、番長の「殺すぞ」という言葉でスイッチが入って豹変し、一瞬で番長の背後をとって喉元に中指を突きつけて不良たちを驚愕させ、E組で培った力を生かして教師への道を進もうとする姿が描かれている場面で物語は終わる。『卒業アルバムの時間』では、その後教育実習での実績を買われ、裏で手を回されてそのまま「市立極楽高等学校」に就職している。また、學峯からも手腕を見込まれて講師のスカウトを受けている。
実写映画版では短髪でナヨナヨした言動をとる少年になっており、B組に幼馴染の斎藤綾香がいる設定が追加されている。
赤羽 業(あかばね カルマ)
声 - 岡本信彦[10] / 同左 / 島﨑信長
演 - 菅田将暉
出席番号1番。フランクな性格で飄々とした態度の赤髪の少年。インドかぶれの両親がいる。そのため、キラキラネームの持ち主だが、自身の名前が変わっていることは自覚しつつも、親の変わったセンスが子供にも遺伝したんだろうと自身の名前を気に入っている様子。
根は善良な優等生だが、己の「正義」を優先するため他人とぶつかり合うことが多く、作品開始時には、集団リンチを受けていた先輩を助けるために起こした暴力沙汰が原因で停学となっていた。渚の親友の一人で、彼とは3年間同じクラスになっている。喧嘩の腕っ節も強く、暴力的な高校生を倒すほどであるほか、頭が切れ器用なため「凶器やだまし討ちの基礎なら群を抜いている」と渚に評されている。また烏間の防御技術を見て習得し、実戦に取り入れるなど、E組生徒の中でもとりわけ戦闘面のセンスに非常に優れている。その反面拘束したグリップに手痛い仕打ち(鼻穴に辛子わさびを入れるなど)をしたり、女装した渚を写真におさめたり、「完全防御形態」になった殺せんせーをいじったりと、かなり悪戯好きな面がある。
しかし、他者に対する警戒心の強い一面があり、先述の喧嘩の強さの一因ともなっている[12]。E組に入る以前より渚の暗殺の才能を(明確に「暗殺の才能」と認識してはいなかったが)見抜いており、表面的には良好な関係を保つ一方で警戒心を強めるようになり、停学処分を機に一時期疎遠な関係となってしまう[12]。E組にて渚と再会した後も、表面上は良好な関係を保っていたが、3学期初めに殺せんせー暗殺を続けるべきかどうかの議論が勃発したことで渚への感情を爆発させてしまい、サバイバルゲームで決着をつける一因となる。勝負では暗殺続行派を率いて渚たちを凌駕しようとするも、最終的には渚の強さを認めて自ら降伏し、和解後は呼び捨てで呼び合うようになる。
元々素行不良で、しばしば授業から勝手に抜けてしまう悪癖がある一方、成績は優秀だったため、元担任の大野からは依怙贔屓の対象にされていた。しかし当時のE組の生徒に暴力行為を働いていたA組トップ成績の生徒を大怪我させたことで大野から掌を返すように責められ、彼の保身もあってE組に落とされてしまう。その経緯から教師という存在そのものを不信感から見下すようになり、殺せんせーについても、命よりも精神的に「教師として殺したい」と望んであらゆる手を使って殺そうとする。最終的には崖から身を投げながら殺せんせーを狙うも、殺せんせーの驚異的な能力と教師としての責任感に救われ、殺せんせーに「健康的でさわやかな殺意」と評される明るい表情を見せるようになった。また、出題範囲通知外の設問が含まれる一学期中間テストで学年4位の成績を取った後も、「暗殺に従事している方が楽しい」という理由からE組に残留を望んだ。進路は国政を真に動かしている存在とみて官僚を目指している。
一学期期末テストでは生来のサボり癖と慢心から努力を怠った結果、得意科目だった数学の学年順位が2位から10位に落ち、学年順位も総合4位から13位にまで下がるという挫折を味わう。それにより敗北者の立場を知ったことで精神的成長を遂げ、普久間島では「相手を侮らず、敬意を持って警戒する」隙のなさでグリップとの戦いに勝利する。二学期中間テストでは学秀と1点差で学年2位、同期末試験では学秀を抜いて全教科で満点を取り、学年1位となる。
高校受験では、「追い出したと思った奴が戻ってきて自分たちの上に立たれるという本校舎の雑魚共の屈辱的な顔を3年間拝めることと、椚ヶ丘よりも学力の高い学校は多いが個人の学力で勝負して面白そうなのは恐らく学秀くらいしかいない」という理由から外部試験で椚ヶ丘を受験し合格する。
最終暗殺計画に際してのE組の最終ミッションでは、自らの要望によりクラス全体の指揮を担当。「使えるものは何でも使う」戦略で、「群狼」を終始圧倒することに成功した。
椚ヶ丘高校では1年次から学秀とトップ争いを繰り広げ、7年後は国家公務員試験に合格し、経済産業省で研修を行う模様。髪型が変わり、身長も185cmまで伸びている。
茅野 カエデ (かやの カエデ) / 雪村 あかり(ゆきむら あかり)
声 - 洲崎綾[10] / 竹達彩奈 / 大地葉
演 - 山本舞香
出席番号7番。陽気な性格の美少女で、E組担任教師に「殺せんせー」のニックネームを付けた本人。
渚とは席が隣同士ということもあって関係は良好。E組女子の中では唯一、渚から呼び捨てで(苗字呼びではあるが)呼ばれている。貧乳であることに強い劣等感を抱いているためそれらの話には敏感であり、賞金を手に入れたら「筋肉でもいいから胸囲を買いたい」と望んでいる。そのこともあって水泳に強い苦手意識を持っており泳げない。巨乳に憎悪を抱いているものの、矢田に関してはリゾート回で彼女が独自に築いた技術力を目の当たりにして心を開き対象からは除外している。また、体形の近さから子供の心の掴み方もうまい。プリンを初めとした大の甘いもの好きで、ケーキの飾りは最後に食べるタイプ。暗殺に関しては通常はサポートに徹している。プリンを使った暗殺作戦では暗殺用プリン作りの指揮を執ったが、後にこれは本来の目的を隠すためのダミーの暗殺であったことが判明する。
3年時に他校から転入し、そのままE組落ちとなったため、当初は問題児であるカルマの存在や、入学式で悪目立ちした木村の本名を知らなかった。修学旅行の際に神崎と共に不良グループに拉致されるも、この際神崎の過去を知ったことを切っ掛けに神崎とは打ち解けた間柄となっている。
その正体はE組の前担任・雪村あぐりの実妹であり、かつて「磨瀬 榛名(ませ はるな)」という芸名で席巻し、現在は事務所の意向で長期休業中[注 4]の元天才子役の「雪村 あかり(ゆきむら あかり)」。「茅野カエデ」という名前はかつて自身が出演したドラマの没となった役名を流用した偽名。本来は黒髪で少しウェーブのかかった髪型だったが、正体を隠すため現在の緑色のツーサイドアップの外見となっていた。姉が手伝いに行っている研究所を訪れた際に触手の怪物が姉の血を弄ぶ場面に遭遇してしまう。現場で発見した触手の種とそのデータ、怪物の書き置きなどの僅かな情報を頼りに姉の仇討ちを決意し、住民票を偽造して椚ヶ丘中学校3学年に編入、さらに理事長室の備品を故意に破壊することでE組に落とされるよう仕向けている。その後は自らに触手を移植し、暗殺決行の時まで正体を隠すため、偶然隣の席になった渚の印象を際立たせることで自身をクラスに同化させていた。約1年に及ぶE組での殺せんせーと過ごした日々から姉殺害に関して疑念を感じたものの、膨れ上がった触手の殺意に押し負けた結果、冬休み直前に温存していた触手を解放して殺せんせーを急襲した後、自身の正体と目的をE組の生徒たちに明かして殺せんせーに一騎討ちを挑む。1年近く触手の拒絶反応に苛まれていたことで心身共に限界寸前だったが、己の生命力を与えて着火した触手で戦って殺せんせーを追い詰める。その代償として触手の暴走を招き生命の危機に瀕したが、渚の秘策としての口づけで絶頂に達し失神した隙に触手を除去され、危機を脱する。その後は誤解に囚われていた自分を深く反省し涙ながらに改心し、2週間の入院を経て復帰する。前述の口づけで渚に心を奪われると共に、E組一の殺し屋は自分では無く渚だと認識し、徐々に異性として意識するようになる。バレンタインでは、彼への本心を隠せずに縮こまるほどに意識していたが、渚の将来を応援することを決意する。
触手があったころはE組内では勉強面でも運動面でも目立った部分はなかったが、元々は転入試験で椚ヶ丘に楽に合格できるほどの学力を有しており、役者業で鍛えていた事もあって岡野以上の身のこなしができるなど、様々な面で非常に高い能力を持っている。ただし、巨乳へのコンプレックスは触手の影響で増幅されてこそいたが姉の影響で元から持っていた模様。クラスメートとの接し方についても、触手があった時は渚や杉野など一部のキャラクターを除くと女子の場合は「さん」、男子の場合は「君」付けで呼ぶなどやや距離を置いて接していたが、触手が無くなった後は倉橋を「陽菜乃ちゃん」と呼ぶようになっており、徐々に他のクラスメートとの距離も縮めている。本名が明かされた後も作中やE組での名義は「茅野カエデ」のままであり、本人も呼ばれているうちに気に入ったとの理由でこの名前を使用している。
自身が元でE組が真実を知ったことを内心後悔しており、その思いから最終決戦では二代目に単身立ち向かう。二代目の触手に貫かれ一度は絶命するも、殺せんせーの外科手術により蘇生を果たすこととなった。
高校卒業と同時に役者業に復帰し、7年後は朝ドラでスタント無しの演技を行ったりと女優として活躍している。黒髪の長髪に戻しており、身長も157cmまで伸びている。渚との個人的な交流はその後も続いているようだが、渚に会いに行ったら彼の教え子たちも一緒にいたなど、正式に異性として付き合っているわけではない模様。

寺坂グループ

寺坂を筆頭とするE組の同級生の5人組。当初は4人で、殺せんせーに反抗的なグループとしての位置づけであったが、数々の経験を経てクラスと殺せんせーに馴染んでいっている。一学期期末テストでは殺せんせーに一泡吹かせるため協力し、4人揃って家庭科で学年1位を取り夏休みの暗殺に貢献した。9月よりイトナが加わり5人になる。

寺坂 竜馬(てらさか りょうま)
声 - 木村昴 / なし / 小池謙一
演 - 菅原健
出席番号16番。粗暴な性格をした刈り上げが特徴の大柄な男子生徒。
授業態度も暗殺にも不真面目で成績もE組で一番悪く、殺せんせーに対し反抗的な態度を示す数少ない生徒であり、元からいた生徒の中では、殺せんせーとクラスに馴染むまで時間がかかった生徒である。体格の良さもあって、暗殺に消極的なときでも烏間からは本気になれば戦力になると見られており、カルマからも体力と実行力を買われている。
小学生のころから典型的なガキ大将で、体格の良さと粗暴さで弱者を支配し、自分のステータスを保っていた。公立校の中では成績上位だったため進学校の椚ヶ丘中学校に入学するも、入学後はそれまでのやり方が通用しなくなり、クラスでも孤立し学年中の嫌われ者になってしまっていた。E組に落とされて以降再び支配欲に駆られた行動に出るが、殺せんせーの出現により叶わなかったことから反抗し続けていたため、E組の中でも浮いた存在になり、遂にはグループ内の他の3人にも愛想を尽かされてしまう。一時期はその際の疎外感をシロに付け込まれ、彼の暗殺計画にE組を巻き込んで危険な目に遭わせてしまうが、カルマに叱責されたことで深く後悔しながら改心し、カルマの戦術を実行する形で殺せんせーの援護に向かいシロとイトナを撤退させ、結果的にE組に馴染むことになる。このときにシロから渡された金で、殺せんせー暗殺用として警棒スタンガンを購入する。
普久間殿上ホテルの戦いでは、前述の事件の負い目から、ウイルスに感染していることを隠してミッションに参加。スタンガンを使い、警備をしていた鷹岡の部下を気絶させることに成功する。さらに渚と鷹岡の戦闘においても、激昂した渚に活を入れることで彼の頭を冷やし、スタンガンを投げて渡した後に渚の勝利を見届ける。また、二学期には、イトナが自分同様にシロに利用され見限られた際に、自ら世話を買って出て諭し彼の心を開かせている。
竹林とは確執があったが、竹林行きつけのメイド喫茶に彼と共に入ったことがきっかけで溝を埋めている。また自身もメイド喫茶にはまり、遂には勧誘派になっている。
7年後は根性と体力をとある政治家に買われ、学生の身ながら秘書業務を行っており、卒業後はそのまま採用され、本格的に代議士を目指している。
村松 拓哉(むらまつ たくや)
声 - はらさわ晃綺 / 宮本誉之 / なし
演 - 髙尾勇次
出席番号24番。寺坂の取り巻きの一人で、出っ歯が特徴の男子生徒。
軽い性格をしており、普段はにやけた表情を浮かべている。実家はラーメン屋。E組の男子では料理の腕前は一番であるものの、実家のラーメンは頑固な父の影響で、不味いまま改善されていないため、殺せんせーに経営学を勧められ、将来店を立て直すことを目標にしている。母親がジャニーズファンで、名前の由来は木村拓哉のため、名前に対してコンプレックスがある[12]
寺坂に黙って殺せんせーの勉強の補習を受けたことで全国模試の成績が上がり、反抗心は薄れていった。それが原因で一時期寺坂と仲違いしてしまうものの、寺坂がシロたちに騙された一件を機に改心したことで関係を修復する。
7年後は家業を継いでいる。
吉田 大成(よしだ たいせい)
声 - 下妻由幸
演 - 長谷川ティティ
出席番号26番。寺坂の取り巻きの一人の男子生徒で、不良気取りでドレッドヘアをしている。
普段は粗野な立ち居振る舞いだが、生来の性格ではないために臆病な一面もある。原とは実家が近く、母親同士の仲が良い。実家はバイク販売店で、自身も実家の敷地やサーキットでマシンを乗り回すほどのバイク好き。
当初は寺坂グループの他の面々同様殺せんせーを良く思っていなかったが、後に同じバイクの話題で打ち解け合い、バイク友達になったことで反抗心は薄れた。それが原因で村松と同様一時期寺坂と仲違いするが、寺坂が改心したことで関係を修復する。
恋愛感情の有無については不明だが、隣の席である神崎の方を向いた時だけ猫なで声になる[12]。また三村に対しても最初は笑い者にしていたが、エアギターの練習をこっそり覗いた結果「実はかなりなエネルギーや努力のある持ち主なのでないか」といった確証を持つようになり尊敬出来るかのような眼差しに変わった[12]。殺せんせーとの和解や一時期仲違いした寺坂との関係修復を経て、少しずつクラスメイトの良さを認めるようになっている。
7年後は家業を継いでいる。
狭間 綺羅々(はざま きらら)
声 - 斎藤楓子 / 坂本あすみ / なし
演 - 大熊杏実
出席番号18番。目つきの悪い黒髪のウェーブヘアの女子生徒。寺坂グループの紅一点。。
陰気な雰囲気をかもしており、ネガティブな事象や物の見方で見られる「人間の闇」を好んでいる。子供のころから夜道で会うと恐れられていたらしく、当時のあだ名が「ミス肝試し日本代表」。活字好きで読書と黒魔術を趣味にし、将来は図書館司書を志望している。脚本作りなども得意だが、心に爪痕を残すブラックでダークな作風である。元々読書好きなこともあって語彙が豊富で、辛辣な表現で言葉攻めをすることがたびたびある。上述の性格になった理由として、気に入らないことがあるとヒステリックになるメルヘン趣味の母親によって今の人格になったと述懐している。
しかし、普段の陰気さと辛辣な言動は裏腹に、クラスメイトとの交流を嫌っているわけではなく、キラキラネームで悩む同じ境遇の木村を励ましたりするなど、面倒見がいい面を併せ持つ。作中の描写でも他の女子との絡みは少なく、女子の場合も敬称なしの苗字で呼んでいるが、ペットのタランチュラが大量の子供を産んで家がパニックになった際は倉橋が助けに行ってことなきを得るなど、女子ともそれなりに交流はあるようである。
寺坂・村松・吉田と同様に殺せんせーへの反抗心を持っていたため、当初より彼らと行動することが多かったが、殺せんせーが積極的にE組の環境改善を行ったことから反抗心が薄らいだ。これが原因で村松や吉田と同様、一時期寺坂とは距離を置くようになるが、彼の改心後は再び行動を共にしている。
7年後は図書館職員になっている。
堀部 糸成(ほりべ イトナ)[注 5]
声 - 緒方恵美
演 - 加藤清史郎
出席番号28番。律に続き、暗殺目的でE組に送り込まれた男子転校生。
表情を変えることは少なく淡々としたしゃべり方をするが、巨乳やエロ本に目がないなど年相応の性的嗜好を持ち合わせている。登場直後に自らを「殺せんせーの弟」と名乗り「兄さん」と呼んでいたが、自らの髪を部分的に変形させた触手と保護者であるシロの策略で殺せんせーを追い詰めた。
その正体は、シロの改造手術で触手を後天的に得た人間。改造前は「堀部電子製作所」というスマートフォンの部品を手がける町工場を営む一家の一人息子だったが、海外企業に技術者を買収されたことで工場が倒産し、両親は失踪した上、同級生からいじめられるようになり、荒んだ生活を送っていた[注 6]ところをシロに拾われ、触手細胞移植を始めとした肉体改造を施され対殺せんせー用の暗殺戦士に仕立てられた。なお、殺せんせーとの兄弟設定もその過程でシロに刷り込まれたことが端的に明かされている。
シロの改造を受けるまでの経緯から、「力と強さへの執着」が極めて強く原動力となっていたが、度重なる作戦失敗の末、シロに見限られた挙句、精神を蝕んだ触手が暴走し死の危機に瀕する。しかし、殺せんせーとE組の生徒たちに救われ、「力と強さへの執着」や触手からも解放され、改めてE組の生徒として迎え入れられる。その際、特に寺坂グループの面々が尽力したこともあって、E組に入って以降は彼らとつるむ描写が多い。
シロの配下にいたころは触手細胞の影響で知力が低下していたが、元来頭が良く手先も器用で、触手除去と共にそれらも取り戻した。特に家業だった電子工作の技術を修得しており、その技能を暗殺の情報収集などに取り入れている。また、肉体改造の影響で少々筋肉質で、クラス合流後も異様な身体能力の高さを見せるが、その�