UseModWiki (ユーズモッドウィキ)は、Perl で書かれGNU General Public License ライセンスで配布されているウィキソフトウェア である。UseModWikiのページは、関係データベース ではなく、フラットファイル で保存される。英語や他の多くの言語で書かれたウィキペディア はMediaWiki に切り替えるまではUseModWiki[ 1] で運用されていた。
歴史
ウォード・カニンガム が最初のウィキウェブサイトWikiWikiWeb を作った後、主にPerl で書かれ、WikiWikiWebのエンジン("WikiBase")の機能と設計を実装した色々なウィキウィキクローンがあった。
Peter Merelは部分的にGNU Lesser General Public License でリリースされた初期のウィキウィキクローンCVWiki を開発し、その後Markus DenkerはGNU General Public License でリリースされCVWikiに基づいたAtisWiki を開発した。[ 2]
1990年代に、Clifford AdamsはUse net Mod erationプロジェクトを立ち上げた。ユーザがUsenet の投稿についての評価、編集、さらにまとめや変更情報を共有できるようにするものである。[ 3] それは1999年にウィキ の発想で置き換えられ、10月11日にAtisWikiの単純化されたフォーク としてUseModWikiの開発が始まった。1999年11月のバージョン0.4("WikiFour")からは、UseModWikiにさらに機能と改良が導入された。[ 4] 2000年には、2つめのUseModWikiウェブサイトMeatballWiki が立ち上げられ、UseModWikiの公式ウェブサイトとともに、usemod.comに置かれた。
AdamsはUseModWiki開発者であるとともにウィキペディアン でもあったため、2001年に、v0.91とv0.92として百科事典で用いるための多くの改良をもたらした。特にキャメルケース だけではなく2重の角括弧(例えば、[[ウィキペディア]]
)でも他のページにリンクできる"フリーリンク "の選択肢が追加された。[ 5] 2年の開発の後2003年9月には、バージョン1.0のリリースでCSS , RSS , ファイルアップロード、UTF-8 , さらに他の多くの新しい機能を導入した。[ 6] その後はバグ修正バージョンだけがリリースされ、2007年7月にMarkus LudeがAdamsからUseModWikiのプロジェクトを引き継いだ。最新のバージョンは2017年12月にリリースされた。[ 4]
UseModWikiは他のページにリンクするのにキャメルケースと"フリーリンク"の両方に対応している。
英語版ウィキペディア のウィキソフトウェアは2001年1月15日の創立以来UseModWiki(フェイズI, 後付で命名)だった。
また2002年1月には、22の言語版のウィキペディアがUseModWikiで運用されていた。[ 7] 2002年1月25日にUseModWikiは、UseModWikiを元にしているけれどもPHP で書き直された新しいウィキソフトウェア、"PHPスクリプト " (フェイズII)で置き換えられた。7月20日、より良い性能と機能を得るために、PHPスクリプトはさらに独自に書き直されたウィキソフトウェア(フェイズIII)で置き換えられた。それが現在MediaWiki として知られている。
バージョン履歴
UseModWikiのリリース履歴
バージョン
リリース日[ 4]
リリースノート[ 8] [ 5] [ 9]
0.4
1999年11月26日
"WikiFour"
簡単インストール
速度向上
サブページ
編集競合検出
0.5
2000年1月12日
"WikiFive"
新しいRecentChanges(最近の更新)
HTMLキャッシュも選択可能
InterWiki(インターウィキ)リンク
ページリダイレクト命令
0.6
2000年1月15日
PageLink(ページリンク)のsub(関数)をリファクタリング
ロックエラーをクリーンアップ
いくつかの細かなコードクリーンアップ
ホームページ内容の大きな再編成
0.7
2000年1月22日
split(分割関数)のエラーを修正
いくつかの未定義使用警告のクリーンアップ
0.80
2000年6月18日
新しいテキスト整形の追加:
* で順序無し箇条書き、 # で番号付き箇条書き、 : でインデントされた領域
<b> と <i> のマークアップで太字と斜体
<pre> で整形済みの節
生HTMLの節が可能(オプションで制御される)
URLとInterWiki(インターウィキ)リンクで後続の句読記号が除去されるように
編集後の再読込みでブラウザが正しいページを再読込みするよう Location: ヘッダを使い指示
リダイレクト命令でも Location: コードを使いリダイレクトされたら対象のページに注意書きを表示
各ページが最新の差分への "(diff)" リンクを持つように
いくつかのクリーンアップとリファクタリング
0.82
2000年7月15日
タブ無し整形ルール
生HTML設定オプション
リンクで "" が新たに区切りに
<nowiki>
タグ
0.86
2000年8月26日
ユーザ設定
ユーザ名
差分の強化
細部、主要、および筆者の差分を別個に保持
ユーザが望みの差分を選べる
リンクデータベース
0.88
2000年10月12日
編集プレビュー
整形を改良:
URLとInterWiki(インターウィキ)リンクが後続の句読記号を無視するように
[1] や [2] のような新しい括弧書きのURL(とInterWikiリンク)
いくらかの細かいウィキマークアップのバグが修正された(主に複数のマークアップルールどうしの相互作用)
リンクバー用のランダムリンクのオプション
0.90
2000年12月24日
保存されたページ
[Yahoo!へのリンク] のような説明的テキストのリンク
0.91
2001年2月16日
古いリビジョンの競合のバグを修正(古いリビジョンを編集中)。
© や ∞ のようなHTML文字がページで使えるように。
= 大見出し (h1) テキスト = や === とある h3 テキスト === のような見出しのオプション。
行中に等幅フォントでコードを埋め込むための新しい <code> タグ。このタグはまた <pre> タグのように働きウィキ整形を抑制する。
フリーリンクと説明テキスト付きフリーリンクが空白やいくつかの句読記号を名前に含むページにも許されるように。
[WikiName 説明] のようなローカル括弧リンクがデフォルトで特別ではなくなった。古い 0.90- バージョンの振る舞いも選択できる。
オプションで自動 LinkPattern (リンクパターン)リンクを無効にできるように(もし本当に古典的な Wiki:CamelCase (キャメルケース)ページ名をやめたいなら。)
古い rclog (RecentChanges) (最近の更新)項目を別のファイルに移動できるように、また必要なときだけ読み込まれるように。
管理者によるページ削除(編集者レベルに与えることもできる): 即時かつ完全、 RecentChanges を含む。
管理者によるページ改名: RecentChanges 項目と改名されたページにリンクしているすべてのページのリンクも改名する。
0.92
2001年4月21日
非英語ウィキのための x 翻訳テーブルのオプション。
mod_perl や FastCGI のような非伝統的なCGI環境での振る舞いの改善。
フリーリンクのバグ修正、特に不正なリンク名の削除。
デフォルトでフリーリンクを正規の大文字形態に変換するように(すべての語が大文字で始まる)。この新しい振る舞いは無効にもできる。
すべてのページの目録をより速く。
スタイルシート対応のオプション。
いくつかの細かな新しい機能。
1.0
2003年9月12日
UseModWiki/NewFeatures
スタイルシート
RSSフィード
ファイルアップロード
8ビット文字との互換性の改善
LocalWiki (ローカルウィキ)とローカルリンク
KeepSize (古い版をいくつ保存するかの設定)
カスタムHTML挿入
1.0.1
2007年6月9日
バグ修正リリース
1.0.2
2007年8月26日
バグ修正リリース
1.0.3
2007年9月12日
バグ修正リリース
1.0.4
2007年12月1日
バグ修正リリース
1.0.5
2009年8月28日
バグ修正リリース
1.0.6
2016年11月5日
バグ修正リリース
1.1.0
2017年10月31日
バグ修正リリース
1.2.0
2017年11月5日
バグ修正リリース
1.2.1
2017年12月1日
バグ修正リリース
関連項目
関連文献
外部リンク