Microsoft BASIC
Microsoft BASIC(マイクロソフト ベーシック)とは、かつてマイクロソフトが開発・販売していたBASIC言語の処理系である。BASICの流れを汲む派生言語(独自拡張の方言あるいは構造化されたBASICも含む)や処理系の総称とみなされることもあるが、Visual Basic以後は従来のBASICとは互換性がなく、「Microsoft BASIC」という語が指す範囲かどうかは議論があろう。また、QuickBASICやVisual Basicは独自の「構造化されたBASIC」として発展したものであり、同じく「構造化されたBASIC」であるISO/IEC 10279やJIS X 3003などで標準化されているFull BASICとの互換性はない。 さらに、.NET Frameworkを基盤として動作するように設計されたVisual Basic .NETは、旧Visual Basic(バージョン6.0以前)の欠点を解消し、同時期に登場したC#と同等の本格的なオブジェクト指向言語としての機能をサポートするよう新規に再構築されており[1]、旧Visual Basicとの互換性はなく、完全に別物の言語および処理系である。 概要→「Altair BASIC」も参照
マイクロソフトの基盤を築いた製品である。最初に登場したのは1975年、ホビーイスト[注釈 1]向けマイクロコンピュータ・MITS Altair 8800用のAltair BASICであった。 Altair BASIC インタプリタは、マイクロソフト社を設立したポール・アレンとビル・ゲイツ(およびゲイツの同級生のモンティ・ダビドフ)が開発した。 開発にはミニコンピュータ PDP-10 を使用した。紙テープの形で販売され、初期バージョンは4 KB(厳密にはKiB)のメモリを使用した。拡張した8 KBバージョンは、いろいろなプラットフォームに移植された。BASIC-80 (8080/85とZ80)、BASIC-68 (MC6800)、BASIC-69 (MC6809)、6502-BASIC、そして16ビットの BASIC-86 (8086/8088) である。 Altair BASICでの成功の後、Microsoft BASICは儲かるソフトウェアライセンスビジネスの基盤となっていく。1970年代から(特に)1980年代にかけて、様々なホームコンピュータやパーソナルコンピュータ(パソコン、PC)に移植され、拡張されていった。オリジナルのAltair BASICとは対照的に、多くのPC用のBASICはROM-BASICの形でROMに格納され、マシンの電源を入れると"READY."(または"Ok")などのプロンプトを表示して直ちにBASICが起動するようになっていた。つまり、Microsoft BASICとその派生品は初歩的なオペレーティングシステム (OS) としての役割を担っており(スタンドアロンBASIC)、そのような機種は「BASICターンキーモデル」などと呼ばれていた。 マイクロソフト発売の主なバージョン当初DOS向けではインタプリタとコンパイラが別系統の商品として販売された後、QuickBASICによって統一され、その後プロフェッショナル向けが分離された。Microsoft Visual Basicでは、Standard/Professional版の形で再統一されている。 一時期Macintosh向けにもインタプリタとQuickBASICが発売されていた。 インタプリタ系
コンパイラ系
プロフェッショナル向け
Microsoft BASICの派生品Microsoft BASICを基に、企業独自の機能が使えるように改造および改良した派生品が数多く現れた。ライセンス契約の影響もあって本体同梱が原則であったが、一部の製品は別売で購入することができた。
Microsoft BASIC と互換性が高いが独立した実装以下は Microsoft BASIC の影響を受けた言語仕様であるが、独立して開発された。 脚注注釈
出典関連項目 |