E-LineR![]() 「e-LineR」(イーライナー)は、遠州鉄道が運行する都市間高速バスを総称した愛称である。正式名称は「遠鉄高速バスe-LineR」。 概要e-LineRの愛称は行先・路線・系統に関係なく遠鉄の運行する高速バス全般に使用される。「eLineR」とも表記されることがあるが、正式には「e-LineR」である。ちなみに、遠鉄が運行する空港リムジンバスには「空港直行バスe-wing」の愛称が与えられている。 愛称は遠鉄 ("e"ntetsu)の運行する定期路線("liner")であることが由来である[1]。また、綴り字の"L"と"R"が大文字表記になっているのは、それぞれを左("L"eft)右("R"ight)の頭文字に見立て、各地へのアクセスを形容しているからである[1][注 1]。 路線ごとに「渋谷・新宿イーライナー」など、「●●イーライナー」という形で愛称がつけられている他「e-LineR●●線」とも呼称される。なお、e-LineR(イーライナー)を名乗るのは遠鉄の運行便のみであり、他社運行便は別の愛称がつく。このため共同運行する会社同士で愛称が一致しない[注 2]。 なお、遠鉄では片道利用可能な都市間ツアーバス事業として2000年代後半にちょこっとおでかけ便(このうち渋谷経由六本木行、東京丸の内行のみ該当)を、2010年代初期に観光都市方面へ結ぶ遠鉄直行バスを運行していたがいずれも既に廃止されている。こちらの詳細は遠鉄観光を参照。 沿革
路線概説横浜イーライナー路線名は浜松横浜線である。横浜イーライナーの愛称も使用される。また、夜行便の虎ノ門ヒルズへの停車開始後は、同便に限り浜松横浜・東京虎ノ門線(横浜・東京虎ノ門イーライナー)とも表記される。 運行経路2系統存在する。
概説遠州鉄道の長距離都市間高速バスとしては初の路線である。単独運行であるが、横浜側での車両・乗務員の休憩は横浜市交通局の滝頭営業所を使用している。夜行便は横浜地区を起終点としなくなったため現在は京成バスの車庫を使用。 運行開始当初は昼行便のみの運行であった。3便・103便は夜行便であるが、2014年12月11日[注 9]までは昼行・夜行にかかわらず運賃は同一となっている。なお、この時は夜行便である3便は始発である浜松駅を日付が変わってからの出発であるため、夜行バスで一般的な到着日の前日扱いでの予約ではなく、予約の際の出発日は到着日と同じ日となる[57]。一方逆方向の103便は日付が変わる前に山下公園前を出発するため到着日の前日が運行日扱いとなる[32]。 その後、2014年12月12日にダイヤと運賃を改定。片道普通運賃はカレンダー運賃制を導入し、繁忙日などを中心に夜行便と昼行便で若干の運賃差が生じる様になった。また、浜松駅行の始発を山下公園前に停車しなくなる他横浜方面行は浜松駅発時刻が日付を変わる前となり、双方向とも到着日の前日が運行日扱いとなる[58]。なお、103便に関しては12月12日は運行せず12月13日からの毎日運行となる[35]。なお、その後12月に入り夜行便が同日より京浜急行バスの品川バスターミナルまで延伸することが発表された[59][33][34]。2015年7月には夜行便が従来横浜経由品川だったものを品川経由横浜に変更し、浜松到着も朝に変更されている[37]。さらに同10月からは夜行便も浜松行きに限り再び山下公園前発となった[38]。その一方で同11月には12月から特定日のみ運行の夜行増便を発表。特定日のみではあるが久々に浜松深夜到着の便が設定された[39]。 その後、高輪地区再開発事業に伴う品川バスターミナルの移転に備え、品川バスターミナルを通過するとともに国際展示場駅経由で東京ディズニーランドへ延伸[45][46]。同時に103便の山下公園前への停車を取りやめるとともに昼行便と同じ相生・東名掛川経由から夜行便に限りホテルコンコルド浜松前・掛川インター駐車場経由に変更された。 羽田エアポートガーデンの開業を前に、夜行便は同施設への乗り入れを発表。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で施設の開業が延期されているため、浜松横浜線の乗り入れも実現していない。2022年には、夜行便は新たに虎ノ門ヒルズへの停車を開始した。 車内ではブランケット(ひざ掛け)のサービスを実施している[9]。おしぼりがサービスされていた時期もあった。 当初、トイレなし車両で運行していたが、2010年8月のお盆期間に貸切用の化粧室付日野・セレガ「プレミアムロイヤル」車両を使用して試験運行の後、同年秋に各車にトイレ設置改造を施した[60]。 乗車時に40ポイントのポイント券が配布され、窓口でえんてつカードのえんてつポイントへ交換出来た。また、このポイント券を提示することで提携施設にて各種優待が受けられた[36]。e-wing同様、えんてつカードを直接利用することは出来ない。なお、運行開始当初は配布されていなかった他、e-LineRの他路線では配布されていない。現在はe-wing同様にポイント券は廃止され、浜松横浜線のみ[注 10]LINE@の乗車ポイントサービスに移行している。 また、車内中程の4席は2014年7月31日まで女性優先シートとなっていた[9]が、こちらも当初は設置されておらず、女性専用シートとしての試験期間を経て設置された。 通常運賃(片道・往復割引)以外に学割回数券が販売されている。また、各種企画きっぷも存在する。 新宿・「東京ディズニーランド®」イーライナー路線名は浜松~新宿・「東京ディズニーランド®」線である。 運行経路
概説2025年7月1日に横浜イーライナーの夜行便(横浜・東京虎ノ門イーライナー)を経路変更・路線分離して誕生。 渋谷・新宿イーライナー路線名は渋谷新宿線である。京王バス東・ジェイアール東海バスと共同運行。 →詳細は「新宿・渋谷 - 浜松線」を参照
京都イーライナー路線名は浜松京都線である。京都イーライナーの愛称も使用される。 京阪バスが運行支援を実施しているため、京阪バス京都駅八条口案内所でも乗車券発売がある他、昼間時の休憩は京阪バス洛南営業所で実施している。 運行経路
使用車両トイレ付4列シート車で運行、車内禁煙。 概説2022年8月1日運行開始、座席指定制。 昼行便2往復運行で、うち1往復は特定日に浜松駅 - 長島温泉で運行する。 学割運賃が設定されている他に早期購入割引として「早売」が設定されている。往復運賃の設定はない。 長島温泉は予約がない場合、停車しない。 2024年9月1日改正で東名豊川・東名音羽への乗り入れを開始し、京都ほの国号と競合している。
大阪イーライナー2020年11月30日まで運行していた西日本JRバス担当分についても解説する。 運行経路現行経路と2社共同運行当時の経路で停車バス停などが大きく異なるため、わけて記載する。
使用車両どちらもトイレ付4列シート車で運行、車内禁煙。 遠鉄担当便については車両の節も参照。なお大阪イーライナーではエアロエースが優先的に充当されており、この車両は全席コンセント付のワイドシートである他、各座席にクッションが用意されている[61]。なお、エアロエースの772号車が導入される前はエアロバスの516号車が使用されていた[17]。代走時はこの限りではない。 西日本JRバス担当便は他路線と共通のエアロバス・セレガなどを使用していた。
概説2011年運行開始、座席指定制。路線名は浜松大阪線である。西日本ジェイアールバスでは浜松エクスプレス大阪号として案内する。当初はUSJへは乗り入れていなかった。 昼行便2往復運行で、学割運賃が設定されている他に早期購入割引として「早売」が設定されている。往復運賃の設定はない。 運賃が同じであるため、続行便などで大阪駅までの乗車券しか購入できない場合は当該乗車券でUSJまで乗車可能となる[62]。 浜松まつりによる交通規制の際にはヤマハ前・ホテルコンコルド浜松前は利用できない。その他、祭事等により迂回運転する場合がある。 2013年台風18号の際などは、迂回の為京都深草で乗降できない事例も発生した[63]。 2020年12月1日から西日本ジェイアールバス便が運行を休止し[64]、1往復へ減便した上で遠鉄便のみの運行となる[47]。 また、千里ニュータウンが通過となった。 2022年8月1日から長島温泉を通過。代替として京都イーライナー(浜松京都線)が長島温泉に停車[49]。
車両三菱ふそう製はエアロバスとエアロエース、いすゞ自動車(ジェイ・バス)製はガーラを使用する。2012年ごろまでは基本的に路線と車両が固定されていたが、現在は一部を除き車両と路線が固定されることなく柔軟に運用されている。 座席は原則としてエアロバスが補助席付き4列シート40席、それ以外が補助席なし4列シート38席または40席。このほか、フットレストが装備されている。当初は車内にトイレは設置されていなかったが、2010年11月中旬頃までに各車とも車内左後方にトイレが設置された。 運行開始当初は貸切車などからe-LineR仕様に改造したエアロバスで対応。コンセントは初期の改造車は設置されていないが2次改造車は先頭4席のみ設置された。 2011年秋には初のe-LineR新車としてエアロエースの738号車が納入され、11月6日に渋谷・新宿イーライナーでデビューした。前述の通りこの車両より補助席が廃止。この車両は38席となっておりコンセントは先頭4席のみ設置[12]。 その後2012年夏にエアロエースの772号車が導入され、7月7日に大阪イーライナーでデビューした。座席は40席である。これ以降の新車は全席コンセント設置となる[17]。現在は夜行便での運行を考慮して仕切りカーテンが追設されている。 2014年夏にはガーラの864号車が導入され、7月26日に横浜イーライナーの夜行便でデビューした。e-LineR以外を含めても遠鉄グループの高速バスとしては初のいすゞ車である。座席は38席。また、夜行便での使用を考慮し同社では初の運転席と客席の間の仕切りカーテンを設置。この車両より新車は原則として前述の仕切りカーテンならびにPCS(衝突軽減ブレーキシステム)を採用する[29]。 2015年冬にはガーラの947号車が導入。こちらは40席である[40]。 なお、エアロバスの2691号車はe-wingからの転用車のため座席配置が異なり、車内に荷物置場がある一方でトイレやコンセントは設置されていなかったため、e-LineR運行開始当初よりe-LineR専用の予備車として活用されていたが、2014年9月に塗装変更を施しe-wing・e-LineR両対応の予備車となった[65]。 逆に共用予備車としてe-wing車両であるエアロエースの715号車も改造された。こちらはe-wingの無料Wi-Fi導入時よりe-LineR他車に先駆けて無料Wi-Fiが搭載されていた。 備考
脚注・出典脚注
出典
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