畠世周
畠 世周(はたけ せいしゅう、1994年5月31日 - )は、広島県呉市出身のプロ野球選手(投手)。右投左打。阪神タイガース所属[2]。 経歴プロ入り前呉市立川尻中学校の軟式野球部から近大福山高等学校に進学した[3]。入学時の球速は133km/hであったが、3年時には142km/hを計測するまで成長した[4]。チームのエースを務めた3年次は広島県ベスト16の成績を残した[5]。4回戦の広島新庄高等学校戦では後に巨人でチームメイトとなる田口麗斗(田口は当時2年生)と対戦。田口が先発で7回1安打無失点と好投したのに対し、リリーフした畠は2回を7失点と力を出せず、チームも0-12で敗退した[6]。 近畿大学に進学し、大学通算46試合に登板、13勝13敗、防御率2.03、216奪三振を記録。大学の同期に則本佳樹がいる[7]。 2016年10月20日に行われたドラフト会議で、読売ジャイアンツに2位指名を受けた。11月15日、契約金7000万円、年俸1200万円で契約(金額は推定)[8]。背番号は28[9]。ドラフト後に右肘の遊離軟骨除去手術を行った[10]。担当スカウトは益田明典[11]。 巨人時代2017年は右肘手術の影響でキャンプを三軍で迎える。4月30日に二軍で初登板し、5回無失点だった[12]。7月6日の対広島東洋カープ戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)で一軍デビューし、4回4失点[13]。7月19日の対中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)で7回1/3を7安打2失点にまとめる好投でプロ初勝利を挙げた[14]。その後も先発ローテーションに定着し勝ち星を重ねた。しかし、9月30日の対阪神タイガース戦(東京ドーム)では初回に2番打者の上本博紀の頭部に死球を当ててしまい、当時のNPB一軍公式戦史上最速となる「試合開始から4球目での危険球退場処分」という記録を残した[15]。また、対戦打者数でも風張蓮と並ぶ最速タイ[16][注 1]。翌日10月1日の対阪神戦で5回から2番手として登板。最初の打者は打ち取るも、前日危険球を投じた上本と、続く糸井嘉男に二者連続でソロ本塁打を打たれた。その後は無失点に抑え7回までを投げ3回2失点で降板したがチームはこの試合に敗れ11年ぶりにBクラスが決定した[18][19]。シーズン全体では13試合に登板し、6勝4敗と勝ち越して防御率も2.99と良好だった。オフに、1200万円増の推定年俸2400万円で契約を更改した[20]。 2018年は、2月のキャンプ中に腰を痛め、三軍での調整となった。治療と調整が長引き、三軍での実戦復帰が8月11日、二軍合流が9月4日と大きく出遅れた[21]。9月11日に一軍シーズン初昇格。手薄なリリーフ陣を補うため、この年は先発では一切投げず、中継ぎに専念した。9月23日の対阪神戦(阪神甲子園球場)で5番手として登板。チームが逆転勝ちを収めシーズン初勝利を挙げた[22]。10月9日の対阪神戦(甲子園)でも2番手として登板し勝利投手となった。CSファーストステージの対東京ヤクルトスワローズ戦(神宮)で7回の1イニングを無失点に抑える。ファイナルステージの対広島戦(マツダ)では第2戦に7回から登板するも2イニング目の8回に二死走者なしから打ち込まれ1回2/3を4失点と打ち込まれ逆転負けを喫した[23]。オフに、480万円減の推定年俸1920万円で契約を更改した[24]。背番号が31に変更されることも発表された[25]。 2019年は、開幕から先発ローテーションに入るも、2試合続けて5回を持たずに5失点以上で降板したこと[26]から4月15日に二軍降格。4月30日に中継ぎとして一軍に復帰したが、5月6日に二軍で再調整となった[27]。7月18日に3年前同様の右肘の遊離軟骨除去手術を受け[28]、再度一軍に昇格することはできなかった。オフには、290万円減の推定年俸1630万円で契約を更改した[29]。 2020年、春季キャンプ中の2月29日に右肩の肉離れで一軍から離脱することが発表された[30]。7月31日の対広島戦(東京ドーム)でシーズン初登板・初先発を果たしたが、1点リードで迎えた5回に會澤翼に頭部死球を与え、2度目の危険球退場となった[31]。8月には3試合に先発するも3連敗を喫し、8月23日に登録を抹消された[32]。9月20日に再登録されると[33]、以降はローテーションを守った。11月1日の対ヤクルト戦(東京ドーム)でプロ初完封勝利を記録した[34]。最終的には、すべて先発で12試合に登板し、4勝4敗、防御率2.88を記録。11月25日の福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズ第4戦(PayPayドーム)に先発するも、柳田悠岐と甲斐拓也にそれぞれ2ランを打たれ、2回途中で降板した[35]。オフには、570万円増の推定年俸2200万円で契約を更改した[36]。背番号が45に変更されることも発表された[36]。 2021年は4月14日の対中日戦で初勝利[37]。6月からはリリーフに転向し、自己最多となる52試合に登板した[38]。またシーズンを通して横浜DeNAベイスターズとの相性の良さを見せた[39]。オフには1430万円増となる推定年俸3630万円で契約を更改した[40]。 2022年は27試合に登板し、3勝0敗1セーブ、防御率3.14を記録[41]。11月25日、330万円減となる推定年俸3300万円で契約を更改した[41]。 2023年は3月23日に右肘関節鏡視下クリーニングの手術を受け[42]、同年は一軍登板なしに終わった[43]。11月29日、800万減となる推定年俸2500万円で契約を更改した[43]。 2024年は一軍ではわずか1試合の登板に留まるも、二軍では37試合に登板し、2勝1敗2セーブ、防御率1.41を記録した[44]。 阪神時代2024年12月9日に行われた現役ドラフトにて、阪神タイガースへの移籍が決まった[45][2][46]。新たな背番号は36[47]。 2025年はキャンプを一軍で完走するも、開幕は二軍スタート[48]。その後、4月3日のウエスタン・リーグ公式戦で「右中指のコンディション不良」を発症し降板して以降、4か月間実戦から遠ざかった[49][50]。8月14日の二軍戦で復帰すると[51]、以降は4試合連続無失点。8月31日の公示で移籍後初昇格を果たした[52]。9月3日の対中日戦(バンテリン)で初登板(1回無失点)[53]。同6日の対広島戦(甲子園)では2点リードの場面で登板すると無失点に抑え、3年ぶりとなるホールドを記録した[54]。 選手としての特徴グラブを頭上に掲げ、これを下ろす反動で右腕を高く跳ね上げる縦振りの投球フォームが特徴[55]。プロ2年目の2018年に三軍で速球が自己最速となる156km/hを記録[21]。変化球はスライダー[56]、カットボール[57]、カーブ[58]、フォーク、チェンジアップを駆使する[59]。 人物
詳細情報年度別投手成績
年度別守備成績
記録
背番号脚注注釈出典
関連項目外部リンク
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