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式場の微笑

式場の微笑
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出オール讀物1975年9月
出版元 文藝春秋
挿絵 下高原健二
刊本情報
刊行 『馬を売る女』
出版元 文藝春秋
出版年月日 1977年9月30日
装幀 竹内宏一
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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式場の微笑』(しきじょうのびしょう)は、松本清張短編小説。『オール讀物1975年9月号に掲載され、1977年9月に中短編集『馬を売る女』収録の1作として、文藝春秋より刊行された。

1975年にテレビドラマ化されている。

あらすじ

資格マニアの杉子は、英語・珠算など様々な資格を取得していた。和服の着付も勉強し、あと少しで上位資格が取れそうになっていたが、他方、結婚からは縁遠くなっていた。同級生の浜井祥一郎から、結婚披露宴の案内状を受けた杉子は、宴席に集まる女性の和服姿が自分の参考になるかと考え、披露宴に足を運ぶ。

ロビーで談笑する人々を観察していた杉子は、ふいに40歳前後の中年男と視線が合った。その男は一瞬ためらいを見せたが、すぐに目尻に皺を寄せて微笑した。杉子はその男の微笑の意味がわからず、落ち着かない気持ちになる。やがて新郎新婦が現れ、招待客に会釈していたが、新婦・真佐子と杉子の眼が合ったとき、真佐子の眼が急に大きく拡がり、ショックを受けたように杉子を凝視した。杉子の記憶が甦った。

一昨年の暮れ、着付教室でアルバイトの話が来た。成人式の日に、振袖の着付をするため、「旅館」へ出張してほしいというのだが…。

エピソード

  • 著者は「料亭「胡蝶」で聞いた話」として、本作の手控えのメモを以下のように記している。「和服の着付教室の生徒が、成人式の日にアルバイトとしてラブ・ホテルに出張する。アベックの娘は自分では和服晴着の着つけができないので、帰るときに人に着せてもらい帯をもと通りに結んでもらう。ホテル側が着付教室へ依頼する(着付教室は呉服屋主催によるものが多い)」と記している[1]
  • 宮部みゆきは本作について、「昭和五十年頃のこういう女性は、現在の同じ立場の女性たちよりも、ずっと淋しく、居場所のない存在でした。しかし、この作品のなかには、杉子の身辺の寂寥を感じさせる描写は一切出てきません。ここでは、書かないことが人物描写になっている」「淋しいからといって、人は悪意ばかりを育てるわけではない。淡々と静かに他人の人生を見送り、黙々と自分の日々を生きるという、孤独な人間の善意と矜持というものも、確かに存在するのだ - 。杉子は、清張さんのそういう温かな信念の化身だと、私は思うのです」と記している[2]

テレビドラマ

式場の微笑
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『式場の微笑』
脚本 砂田量爾
監督 坂崎彰
出演者 十朱幸代ほか
製作
プロデューサー 石井ふく子
制作 TBS
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1975年11月16日
放送時間21:00 - 21:55
放送枠日曜劇場
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1975年11月16日TBS系列の「東芝日曜劇場」枠(21:00-21:55)にて放映。視聴率20.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[3]

キャスト
スタッフ
TBS系列 東芝日曜劇場
前番組 番組名 次番組
十一月の恋
(脚本:松山善三)
(1975.11.9)
式場の微笑
(1975.11.16)
ながれ藻
(脚本:新藤兼人)
(1975.11.23)

出典

  1. ^ 著者による「創作ヒント・ノート」(『小説新潮』1980年2-3月号掲載、『作家の手帖』(1981年、文藝春秋)に収録)
  2. ^ 『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション 中』(2004年、文春文庫)14-16頁
  3. ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版
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